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– 2018-10-09 最新情報を元に加筆修正
現在の日本では、数多くのファッション雑誌が発行されています。
かつてはファッション雑誌に登場するのはプロのモデルさんたちでしたが、今では素人の方も「読者モデル」として登場するほど、日本の女性のファッションへの関心は高まっています。若い女性を中心に読者モデルになりたいと思っている女性も増えているほどです。
そこで今回は、数あるファッション雑誌の中から「Seventeen(セブンティーン)」と「ViVi(ヴィヴィ)」にスポットを当ててご紹介させて頂きたいと思います。
ではまずは、女性誌「Seventeen(セブンティーン)」とはどんな雑誌であるのかをみなさんにご紹介させて頂きたいと思います。集英社が発売している女性向けファッション雑誌であり、「Popteen(ポップティーン)」と並ぶ人気雑誌です。
1968年6月に、総合少女週刊誌「マーガレット」のお姉さん雑誌「週刊セブンティーン」として創刊され、アメリカで1944年に創刊された「Seventeen」の日本版として出発しました。掲載内容はファッション・少女漫画・芸能等になります。
通巻1000号となる1988年1月3日号より、誌名の表記をアルファベットの「SEVENTEEN」としてリニューアルしました。判型は大きいサイズ、刊行は月2回の隔週刊(毎月1日・15日)に変更し、漫画部分が無くなりました。
漫画雑誌としての部分は「月刊ティアラ」として新創刊されることとなり、引き継がれる形になりました。
その後、ライバル誌だった小学館の「プチセブン」の廃刊後、急速に売り上げを伸ばし(公称35万部)ていき、「ティーンのNo.1雑誌」と銘打っています。
2001年から徐々に芸能人の記事や表紙掲載が減り、表紙には当雑誌の専属モデルを起用していき、誌面にも多数の現役女子高生読者モデルを登場させ、女子中高生向けファッション雑誌に特化するようになりました。
これが1つの大きなターニングポイントだったのではないでしょうか。創刊40周年を機に2008年10月号より月刊化し、表記も「Seventeen」に変更しました。
上位誌は1971年創刊の「non-no」であるのですが、2004~09年にかけては系統の異なる上位誌として「PINKY」も発売されました。
続いては、歴代の専属モデルさんたちをご紹介させて頂きたいと思います。誌面に登場する専属モデルは「STモ」と呼ばれています。
STモは一般公募のオーディション「ミスセブンティーン」で選出されるか、または大手芸能事務所からの編集部への売り込みなどで定期的に補充される「プロダクション組」がいます。
特にプロダクション組は2010年以降ローティーン向け雑誌「nicola(二コラ)」(新潮社)からのトップモデルもしくはナンバー2モデルの移籍が続いており、2010年の西内まりやさん、2011年の立石晴香さん、2013年の古畑星夏さんを皮切りに、それ以降2016年までは毎年9月号で1~2名の移籍が発生しています。
当時、西内まりやさんはトップモデルとし活躍しており、表紙25回、在籍64ヶ月を誇りましたが、ローティーン雑誌主催のモデルオーディション出身者は冷遇される傾向があり、立石晴香さん(在籍29ヶ月)や藤麻理亜(在籍20ヶ月)は表紙を経験せずに比較的短期間で「seventeen」を卒業しており、また4年間在籍した古畑星夏さんも当時同年代でも唯一の表紙未経験であった。
2017年8月現在プロダクション組の8名中6名がローティーン雑誌からの移籍組が占めています。
人気モデルは頻繁にカバーガール(表紙)を務めることができ、連載ページを担当するほか、ソロでフォトエッセイが発売されることもあります。
また、本誌に限ることではなく、「週刊プレイボーイ」、「MEN’S NON-NO」など集英社の男性向け雑誌に出演して、女性に限らず男性からも支持を集めるという手法も採られています。
卒業後は、他のファッション誌に移籍し引き続きモデルとして活躍する者がほとんどなのですが、女優や歌手に転向し人気を得る方もいらっしゃいます。本誌は10代の女性向け雑誌であるため、専属モデルは大抵20歳近くになると卒業していくものの、近年では、高い人気を誇るモデルは成人してからもしばらくは留まる傾向にあります。
2010年4月号より専属モデルがすべて「平成生まれ」になりました。
では、続いては「ViVi(ヴィヴィ)」の人気の秘密に迫っていきたいと思います。講談社が1983年5月に創刊し、日本及び中国、台湾、香港で発行されている女性ファッション月刊誌です。
日本での発行日は毎月23日で、赤文字系雑誌のひとつとされています。
2010年度の日本国内の発行部数は約43万部で、赤文字系雑誌では第1位の記録なのです。対象年齢層は15~36歳となっており、OLと女子大生がメインターゲットになっています。
ファッション・メイク・ヘア、海外芸能人に関する記事が中心となっています。他の赤文字系雑誌と比較すると、以下のような特徴があります。
【海外展開について】
中国語圏を中心に、海外でも多くの読者を獲得しています。2000年には中国語版「ViVi」が創刊されました。
講談社が中国語で発刊した女性誌は「ViVi」が最初となりました。2009年6月、「ViVi」の台湾での発行部数は11万部であり、現地の女性ファッション誌の発行部数1位を記録しています。
【系列誌・増刊号について】
2005年~2013年にかけて発売された「GLAMOROUS」は姉妹誌です。もともと上位雑誌にあたるものは「with」のみであったのですが、「ViVi」の2000年代以降の路線変更でハーフ・ミックスのモデルの起用が増え、系統が変わったことをきっかけに、より近い系統に属するものとして創刊されました。
2010年以降、「109BOOK」や「TOKYO ViVi」などといった、テイストや趣旨の異なる増刊号も発売されています。
1983年の創刊当時のことですが、日々快活からインスパイアされた「ヴィヴィ快活」というキャッチフレーズを擁したCMが放映されていました。みなさんはご存知でしたでしょうか?
BGMにはマルコム・マクラーレンさんの「BUFFALO GALS」が使用されていました。
ViVi創刊20周年を迎えた2003年頃は、佐田真由美さん・岩堀せりさんがメインモデルを務め、長谷川潤さん・藤井リナさん・相沢紗世さん・鈴木サチさん・畑田亜希さん・佐藤萌実さん・岩田ゆりさんなど、その後もメディアで活躍しているメンバーが同時に専属モデルとして起用されており、売上のピークを迎えていたことから「ViVi黄金期」と呼ばれていました。
続いては、ViViでの連載(現在・過去)についてもご紹介させて頂きたいと思います。
・浜崎あゆみさんの「AYUのデジデジ日記」
・加藤ミリヤさんの「加藤ミリヤのファッションSHOW」
・木下優樹菜さんの「シフクテキナユキナ。」
・トリンドル玲奈さんの「ハマリんどる。」
・佐野ひなこさんの「ビューティ・ミューズ」(「with」など同社他誌にも登場)
・藤井リナさんの「Lena Likes」
・板野友美さんの「TOMO’S DIARY」
・大石参月さんの「みつきのふつーがいちばん」
どれも個性的なものばかりで、それぞれのキャラクターや持ち味を活かした内容となっています。
もちろん多少の編集は入っているとは思うのですが、本人の素の表情が見ることのできる、貴重な掲載でした。
みなさんいかがでしたでしょうか?「Seventeen(セブンティーン)」と「ViVi(ヴィヴィ)」では、対象にしている読者層が異なり、目指している女性像も異なることが分かって頂けたかとは思います。
あなたの目指す女性像はどちらにありましたでしょうか?
もちろん、さらに「女子力」を磨きたいという方や、「モテる女子」を目指したいという方は、両方とも購読してみるのが良いと思います。
何事もステレオタイプに問わられず、幅広く知識を付けていくことがファッションの楽しみ方ではないでしょうか。