フードポルノって知ってる?露人気カフェのインスタグラム施策が話題


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– 2020-04-25 最新情報を元に加筆修正

インスタグラムを見ていると、タイムラインにものすご~く美味しそうな料理の写真が流れてきて、思わずゴクリと唾を飲んでしまった経験、あなたにもありませんか?

肉汁ジュワ~なハンバーグや生クリームたっぷりのパンケーキなど、見ているだけでもう食べたくて食べたくてたまらない!と食欲を刺激されちゃうような写真が、インスタグラムにはわんさか溢れていますよね。

それが夜遅い時間の投稿だったりすると、「飯テロ!」と騒がれることも多い今日この頃。今回は、そんな日本の「飯テロ」の世界バージョンとも言える「フードポルノ」について、詳しくご紹介していきます。

「フードポルノ」って何!?

冒頭でもご紹介したような、食欲をそそる美味しそうな料理写真のことを、海外では「フードポルノ」と呼びます。

「ポルノ」だなんて、なんだかちょっとドキッとしてしまいますが、ひと目見ただけで思わず食べたい!という欲求を駆り立てられるところから、「ポルノ」という言葉が使われているそうです。

インスタグラムでも、ハッシュタグ「#foodporn」で検索すると、世界各国の美味しそうな食事がズラリと表示されます。

いや~たまりませんね!見ているだけでワクワクしてきます。食べることが大好きな方にとっては、特に魅惑的なハッシュタグなのではないでしょうか。

でもこのフードポルノ、実はそんなに良いことばかりというわけでもないんです。今世界では、フードポルノをめぐって次のような問題点が指摘されています。

問題点1 肥満を招く

美味しそうな食事の写真を眺めていると、つい小腹がすいてお菓子に手が伸びてしまう…そう、フードポルノは私たちの食欲を問答無用で刺激します。

ご飯を食べたばかりで満腹のはずなのに、フードポルノを見ることでまだなんだか物足りないように感じてしまうなど、食事の量や間食が増えることによって肥満になりやすいという問題があるのです。

実際、SNSに投稿された食事の写真を日常的にチェックしていて、体重が増えてしまったというデータもあります。食後のリラックスタイムや夜寝る前の時間にインスタグラムをチェックする人も多いので、余計に太りやすくなってしまうのかもしれません。

夜遅い時間の間食は、食べた物が消化しきれず脂肪になりやすいと言われており、ダイエットの大敵です。

 

問題点2 お店でのマナー違反

フードポルノが物議をかもしているもうひとつの大きな理由が、カフェやレストランでの撮影マナーです。撮影した料理の写真をインスタグラムに投稿することは、宣伝になるので嬉しいというお店もある一方、マナーが悪いのでやめてほしいというお店もあります。

「写真を撮るのがなんでマナー違反なの?」と、思う方もいるかもしれません。しかし、少しでも料理が美味しく見えるように…と角度を変えながら何度も撮影し、その度に大きなシャッター音が鳴るのはやっぱり周りのお客さんに迷惑ですし、それだけ料理に手を付けるのが遅くなってしまうので、せっかく熱々で出されたものが冷めてしまったりと、お店側の意図からも反することになってしまいます。

中にはインスタグラムにアップしたいがために食べきれないほどたくさんの料理をオーダーし、撮るだけ撮ってほとんど残す、なんていう失礼な注文の仕方をするお客さんもいるのだとか。確かにこれではマナー違反と言われても仕方がないですよね。

また、「料理も作品のひとつだから、勝手に撮ってインスタグラムに載せるのは知的財産権の侵害だ!」と主張するお店もあります。

 

ロシアの人気カフェの広告が話題に

そんな中、ロシアの人気カフェ「Bushe Bakery」が、フードポルノをテーマにある広告を打ち出しました。その内容は、まず人気ブロガーをカフェに招き、それぞれが注文した料理の写真を撮影しインスタグラムに投稿してもらいます。

さらに、その場で食事を楽しむブロガーたちの様子を写真におさめ、各ブロガーたちが投稿した料理の写真と一緒にポスターにして掲示したのです。

この広告で「Bushe Bakery」が訴えたかったのは、「料理もいいけど、家族や友人との食事の時間をもっと楽しもうよ」というもの。美味しい食事は大切な人との重要なコミュニケーションツールであることを示し、「あなたの大切な人と、ぜひ当店へお越しください」とPRしたのです。

 

「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」

「何を食べるか」よりも「誰と食べるか」


フードポルノに夢中になっている人の中には、華やかで美味しそうな写真を撮ることが最優先になってしまうあまり、生活のその他の部分がおろそかになってしまう人もいます。

その料理自体の見た目や味が、食事の大きな楽しみのひとつであることは間違いありませんが、そういった「何を食べるか」と同じくらい、「誰と、どんな場所で、どんな話をしながら食べるか」ということも大切なポイントです。

今度誰かと食事に行く際には、見栄えの良い写真を撮ることばかりにとらわれるのではなく、美味しい食事を通して過ごす楽しいひとときを、ぜひじっくり味わってみてくださいね。