ユニクロのインスタ活用マーケティング術とは!?


日々人気モデルや芸能人がオシャレなファッションのコーデを紹介しているインスタグラム。インスタグラムは、いまやファッションのコーディネートを考える際や新しい服を買おうと考える際には欠かせないツールとなってきています。

そんなインスタグラムには、もちろんアパレル業界も大きな注目を寄せています。ここ数年インスタグラムがSNSの中でも高いシェアを獲得し始めてきたことを受け、服を販売する際のマーケティングにおいてもインスタグラムが活用され始めています。

ファストファッションの代表格「ユニクロ」は、いち早くインスタグラムを利用したマーケティングを進めるようになった企業のひとつです。果たしてユニクロは、インスタグラムを利用してどのようなマーケティングを行っているのでしょうか。

ユニクロってどんな会社?

まずは、ユニクロとはどのような会社かということを紹介していきます。知っているようで意外に知らなかったユニクロの会社情報を、この機会に押さえておきましょう。

正式名称:株式会社ユニクロ
親会社:ファーストリテイリング
本社所在地:山口県山口市
代表者:柳井正
従業員数:約1,700人(日本国内、正社員のみ)
店舗数:1,793店(国内837店、海外956店)

ユニクロは、1949年に山口県宇部市で開業した「メンズショップ小郡商事」という小さな紳士服店が前身の企業です。1980年代前半まで山口県宇部市で細々と営業していたメンズショップ小郡商事ですが、1984年になって広島市にユニセックス衣料品店「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」(UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE)を開店。

これが正式なユニクロの1号店となっています。その後中国に工場を構え、低価格で衣料品を大量生産できる体制を整えたことでユニクロの利益は爆発的に増加。あっという間に現在のように日本国内はもちろん、海外にも店舗を構える巨大企業へと成長したのです。

この「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」の名前からも分かるとおり、当初お店の略称は現在の「UNIQLO」ではなく、「UNICLO」となっていました。しかし、1988年に海外進出の足掛かりとして香港に法人を設立した際、現地のスタッフが誤って「UNICLO」を「UNIQLO」と書いてしまい、これがそのまま正式な社名として採用されたことから現在まで使われるようになったという経緯があります。

一躍アパレル業界のリーディングカンパニーとなったユニクロは、現在では「安かろう悪かろう」ではなく、低価格で高い品質、老若男女さまざまなニーズに応えるデザイン性で、もはやファッションの定番と呼べるブランドへと成長をとげています。

なぜインスタグラムでマーケティングを行うのか?

ファッション業界の天下を取ったと言っても過言ではないユニクロが、さらに販売のすそ野を広げていくために選んだメディアが、近年隆盛を極めるSNSでした。ではなぜユニクロは、Facebook、Twitterなど、さまざまな種類があるSNSの中でインスタグラムにおいてマーケティングを行おうと考えたのでしょうか。以下にその理由をいくつか挙げていきます。

・もともとファッションとの親和性が高い

インスタグラムはその成り立ちと発展の仕方が、ファッション業界と密接なつながりを持ったものとなっています。FacebookやTwitterのフォロー数上位の人物は実業家やお笑いタレント、政治家などが多くなっていますが、インスタグラムのフォロー数上位は、軒並み人気モデルや人気女性タレントばかりです。

インスタグラムは人気モデルの方々が発展させてきたSNSだと言っても過言ではなく、人気モデルのファッションやライフスタイルを参考にしたい10代から30代の女性たちが積極的に利用するようになったことで、今日の人気を勝ち得たSNSとなっているのです。

当然おしゃれに敏感な女性が利用者のメインを占めており、ファッションとの親和性はFacebookやTwitterなどとは比べ物にならないほど高いSNSだと言えるでしょう。

・近年急速にユーザーが増えている

インスタグラムは、比較的最近になってユーザーが増加したSNSです。FacebookやTwitterは5年以上前からユーザーを抱えているSNSですが、インスタグラムのアクティブユーザーが増え、メディアなどでも注目されるようになったのはここ2、3年のこととなっています。

単純に近年急速にアクティブユーザーが増えているSNSだからこそ、ユニクロをはじめとした企業も大いに注目するマーケティング媒体であると言えるのです。

・ハッシュタグで関連する情報を集めやすい

人気モデルや女性芸能人のインスタグラム投稿には、ほぼ100%の確率で「ハッシュタグ」が付けられています。このハッシュタグは関連する投稿をつないでいくものであり、ハッシュタグをたどっていくことで情報の幅をどんどん広げていくことができる便利ツールとなっています。

一見あまり関係のないタグから思わぬ情報を見つけることがあるのもハッシュタグの特徴のひとつであり、ハッシュタグをたどっていくことで思わぬブランドや商品にたどり着くことも珍しいことではありません。マーケティングにおいてこのことは非常に重要であり、対象者が潜在的に欲しいと思っているもの(潜在ニーズ)を掘り起こしてくれる役割を果たしているのです。

 

具体的にユニクロはインスタグラムでどんなマーケティングを行っている?

ユニクロがインスタグラムで行っている主なマーケティング活動は多岐にわたりますが、主なものとして以下の2点が挙げられます。

・ブランドイメージの維持・向上
・潜在ニーズの掘り起こし・購買意欲への変換

「ブランドイメージの維持・向上」は、国内外のインスタグラム利用者に向けて、主に公式アカウントを利用して自社の商品を効果的に使った写真や動画を数多く投稿し、「ファストファッション」の枠にとらわれないブランドイメージの構築に努めています。

実際にユニクロのオフィシャルアカウントで投稿されている写真には、とてもファストファッションだけのコーディネートとは思えないおしゃれなものが多く、ブランドイメージの向上がなされていることが分かります。

「潜在ニーズの掘り起こし・購買意欲への変換」は、オフィシャルの投稿した写真にハッシュタグを付けることで、ユニクロと関係ないところから飛んできたユーザーを引き留め、購買意欲へとつなげていくことを目指しています。

主に「ファストファッション」のイメージを逆手にとり、人気モデルなどのハッシュタグから飛んできたユーザーがユニクロの写真を目に留め、「ユニクロとは思えないほどおしゃれ!」と思わせることで、自社の商品を買ってもらうように仕向けていくという方法が取られています。

これらのことをはじめとした戦略で、ユニクロはインスタグラムを利用してマーケティング活動を行っているのです。

 

どの店舗のアカウントをフォローしておくべき?

ここまでは比較的小難しい話が多く、「結局何が言いたいの?」と憤っている読者の方も数多くいらっしゃるかもしれません。非常にざっくりまとめると、「ユニクロはインスタグラムを利用したユーザーへの宣伝・販促活動を積極的に行っている」ということです。

そんなユニクロは、大都市にある店舗などの場合には個別のインスタグラムアカウントを持っている場合があります。日々さまざまな写真や動画が投稿されており、ユニクロの持つファッション性を見て楽しむことができる投稿も多くなっています。

ユニクロのおしゃれな情報を押さえておきたいのであれば、ぜひとも「ユニクロ銀座」のアカウントをフォローしておくべきだと言えるでしょう。ユニクロ銀座のアカウントではほぼ毎日さまざまな商品やコーディネートの画像が投稿されており、ユニクロのアイテムのおしゃれな着こなし方なども提案されているのが大きな特徴です。

こちらの写真のように、ユニクロ銀座のアカウントでは店舗スタッフではなくインスタグラム内で人気のユーザーが実際にアイテムを着用することで、ファッションに敏感な女性たちの心をとらえることに成功しています。着こなしの中に自然にユニクロのアイテムを取り入れているコーディネート術は、ぜひとも真似してみたいものだと言えるでしょう。

 

まとめ

近年は、インスタグラムを利用する企業も多くなってきています。その先駆的な存在であるユニクロは、自社のマーケティングにおいてインスタグラムを効果的に利用し、ブランドイメージの維持向上、潜在ニーズの掘り起こしや購買意欲への変換などをはじめとした積極的なマーケティング術を展開しています。

特にファストファッションをよく利用するという方は、ぜひともユニクロ関連のインスタグラムアカウントをフォローしておくべきだと言えるでしょう。まずは「ユニクロ銀座」のアカウントから、ぜひフォローしてみてはいかがでしょうか。