正方形の写真が撮れるカメラが往年のインスタグラマーに人気


更新履歴
– 2020-05-02 最新情報を元に加筆修正

Instagramは、今でこそ通常の写真と同じ縦横比の写真を掲載できるようになっていますが、以前は正方形の写真しかアップできませんでした。当時は不便さを感じていたユーザーですが、慣れてくるとInstagramならではのデザインとして浸透し、自由に縦横の比率を選べるようになっても前から見慣れている正方形の写真を利用することもあります。

こちらでは、そんなベテランのInstagramユーザーから、始めたばかりのユーザーまで楽しむことができる二眼レフカメラをご紹介していきます。使いこなしてお洒落なページを作りましょう。

二眼レフカメラとは

二眼レフカメラというのは聞きなれない名前ですが、その名のとおり、レンズが二つ付いているカメラのことを指しています。通常は、普通のカメラのようにレンズが正面についていますが、縦に二つ並んでいます。撮影方法も変わっていて、上からカメラを除くと正面にいる被写体を確認でき、その状態で写真を撮ります。

撮影をするときには首からカメラをぶら下げて、上からファインダーを覗いてシャッターボタンを押します。ただし、このカメラは覗いた被写体が上下はそのまま、左右は対照的に見えますので、慣れるまでは構図を決めにくいです。

昔のInstagramのような正方形の写真を撮影することができますが、性能は高く、上手に撮影できるようになればInstagramの写真の中でもひときわ目を引く仕上がりになるでしょう。

ちなみに、このカメラはデジタル式ではなくフィルムを入れて使うタイプであり、フィルム一本あたりにつき12枚しか撮影できません。近年は、いつでもデータを消して撮りなおせるデジタルカメラに甘えて緊張感のある撮影はほとんどなくなりましたが、失敗が許されなくなったことで今までよりも高い集中力を発揮できるともいえます。

縦横比もInstagramと同じですので、写真の構図や題材のバランスなどを考えて、より見やすいページに仕上げられるでしょう。

二眼レフカメラのススメ

Instagramに写真をアップしているインスタグラマー、特に正方形の写真を好んでアップしている人にとっては、二眼レフカメラは非常に便利なアイテムといえます。元々、二眼レフカメラは戦後に国内で爆発的な人気を誇っていましたが、徐々に一眼レフにその地位を奪われ、衰退していったという歴史があります。

そのため、長方形の写真にしか馴染みのない人にとっては正方形の写真が不自然に見えがちですが、近年Instagramが広まったことにより、逆に若い年代の人から注目を集めているのです。

インスタグラマーの中には、自身のInstagramの写真をより見栄え良くするために、二眼レフカメラを導入するケースもあります。新品の販売も行われていますが、高額で手が届かないという場合には、中古のカメラを購入して、使い方に慣れるというのも一つの方法です。

価格も手ごろですし、ヴィンテージ品としての風格もあり、室内に保管しておけばインテリアとしても使えます。二眼レフカメラはレンズが複数あることから、被写体にとっても緊張感が和らぐ傾向にあり、ペットの写真を撮りやすくなったという声も聞かれます。

縦長で大ぶりなデザインも逆にレトロで可愛らしく、若い女性が首から下げて歩いていても、ファッションアイテムの一つとしてしっくりなじみます。

プロの写真も参考に

二眼レフカメラをどのようにInstagramで活かせばよいのかが分からないという場合には、プロが撮影した二眼レフカメラの写真を参考にしてはいかがでしょうか。

例えば、謎の天才写真家としてドキュメンタリー映画にもなったヴィヴィアンマイヤーさんは、生涯15万枚以上の作品を残していながら自身の存在はほとんど知られていませんでした。しかし、彼女の没後にその写真がネット上で紹介されるや否や、世界中から反響があり、発売された写真集はアメリカで売上1位、各地で開催された展覧会も連日大入りという人気になったのです。

彼女は二眼レフを使うことが多く、Instagramユーザーにはなじみの深い正方形の作品が多く見つかります。

彼女が二眼レフで撮影した写真は、モノクロで古き良き時代をほうふつとさせる雰囲気です。1950年代の街並みや人物を驚くほど鮮明に撮影しており、自然な表情の被写体が多いです。普段何気なく通り過ぎている街並みの一部、泥酔した人、泣いている子供、車内で眠っている老夫婦など、カメラを意識していない姿が正方形の写真にバランスよく写り込んでいます。

Instagramのような編集ツールがなかった当時、乳母をしながら大量の写真を、高い水準のセンスで撮影し続けた彼女のような作品を見ると、二眼レフとの付き合い方もまた変わってくるでしょう。

Instagramでレトロな世界観も

Instagramというアプリ自体が携帯端末とともに普及したものであることから、歴史的に見るとそれほど古いものではありません。そのため、多くのインスタグラマーの写真はその時の流行を反映させた、華やかで明るいものばかりになっています。

確かに色彩が華やかな方がユーザーの目に留まりやすいですし、印象にも残ります。しかし、逆に言えばそのような中にあって、二眼レフでレトロな雰囲気の写真を撮影すると、鮮やかな色合いのInstagramの中でひときわ異彩を放つのではないでしょうか。

とはいえ、無理にモノクロの写真にする必要はありません。写真を撮影するときには、自分のスタイルや使っているカメラによって、気持ちや視点が変わってくることが往々にしてあります。二眼レフが主流になっていた当時の作品をチェックしてみたり、ヴィンテージの風合いを持つカメラを首から下げて外出していると、構図や被写体もいつもよりも気持ちを変えて決めることができるものです。

そして、被写体や構図に合わせてInstagramのツールや写真加工アプリなどで色調を調整したり、フィルタをかけたりすると、普段の写真よりも落ち着いた雰囲気になります。たまにはレトロな世界観を狙って写真を撮り、いつもよりも異なる雰囲気のInstagramを完成させてはいかがでしょうか。

一眼レフとの比較

大きくて撮影可能な枚数にも制限があり、今までと違う縦横比で撮らなければならないなど、二眼レフカメラにはデメリットが多くあるように思うかもしれませんが、このカメラには、一眼レフカメラのようなブラックアウトもなく、作りが単純で手ごろな金額で購入できるというメリットがあります。

このカメラは横にして撮影をするという事が困難であったため、いつでも同じ姿勢で写真が撮れるように正方形になっているのですが、Instagramでこの割合の写真をアップしているユーザーにとっては、編集で当初のイメージと異なる仕上がりになるという不安がなく、むしろ好都合です。

これらを踏まえて現在主流になっている一眼レフと比較してみましょう。一眼レフは見た目のとおりに写真を撮ることができますが、シャッターを切るときに一瞬ブラックアウトします。一方、二眼レフは被写体を見るレンズと撮影用のレンズが異なるため、被写体を見ながらシャッターを押すことが可能です。

さいごに

カメラマンの立場としてみると左右対称になるので見づらいというリスクはあるものの、Instagramユーザーにとっては元から正方形なので、Instagram向けの構図をあらかじめ決めておくことができます。

慣れてくると頭の中で被写体を反転させて撮影するという高度なテクニックがむしろ楽しくなります。