写真家Patrick Mordiが織りなす不思議な世界へ

同じ物事を見ているのに人によって全く別の感じ方をしている・・・という経験はないでしょうか?私たちが物事を見るためのフィルターは、年齢の違い・性別の違い・国籍の違いなどその人を織り成すオリジナリティーによって異なっており、色々な違いがあるからこそ同じものを見ていてもその捉え方が異なっていきます。写真の世界でも、見慣れた場所を写真を撮る人が異なると、いつも飲みなれた街も、まるで知らない街のように劇的に見え方が変わってきます。普段私たちが目にする東京の町並みも、オランダ アムステルダム在住の写真家、Patrick Mordiが撮ると、私たちの知らない別人のような顔を見せてくれます。そんな東京の町並みを撮り続ける、Patrick Mordiの写真をご紹介いたします。

横浜―コスモクロック

日本だよね?横浜だよね??と思わずつぶやいてしまうような、美しい写真です。
見慣れているはずの風景なのに、ニューヨークか香港のように大人びたエキセントリックな雰囲気を感じますね。「横浜で楽しい」とPatrick Mordiさんの日本語のコメントがついているように、日本での滞在を心から楽しんでいる様子が伺えます。

東京―代々木公園

冬の訪れを感じさせるこの写真は、一見すると兼六園か六義園か・・・・!?という古き良き日本庭園を思わせる写真です。しかし実はこの写真は都心の憩いの場、代々木公園内の写真なのです!代々木公園にこんな場所があったなんて・・・・!!と驚いてしまうような写真ですね。日が落ちて陰る木の葉の陰影の具合や、紅葉の赤が目に美しい、自然感あふれる写真です。さらに、この写真、12月に撮影されたことにも驚かされます。東京の12月に、こんなに美しい紅葉があったのですね。今更ながら知らなかったことをPatrick Mordiさんに教えてもらえた気持ちです。

 

東京―夜の渋谷の通り


この写真は、渋谷の夜の飲み屋街を歩く女性の写真です。足早に路地をかけていく女性と、きらびやかなネオン。そして、ネオン街の喧騒に降り注ぐ静かな雨は、しっとりとしたと夜の東京の温度を、肌に感じるような写真になっています。

東京―上野雨の夜


こちらは東京上野の静かな雨の降る夜の写真です。写真に写っている人達みんなが同じ方向を向いて、傘を持ちながら商店街の路地を急いで歩いています。平日の夜でしょうか?急いで駅へ帰る人達を見ると、先程の渋谷の写真と同じように、しっとりとした温度感を感じる写真です。さらに、Patrick Mordiさんがこの写真につけたコメントが秀逸で「あなたが恋しい」と書いてあります。恋しい人のところへ帰る途中なのか、それとも母国を離れて東京で写真をとるPatrick Mordiさんのその時の気持ちなのか・・・・真実はわかりかねますが、写真もコメントも胸をギュッとつかむような情緒あふれる作品です。

東京―渋谷 野球をする人


こちらは渋谷という、およそスポーツとは縁が遠そうな場所・人たちがバッティングをする風景を切り取った写真です。後ろの建物に「Forever21」と書かれた文字を見ることができるので、あの場所かな?と思い浮かぶ人もいるかもしれませんね。渋谷で見かけたら強面のように思えるお兄さん達のスポーツを楽しむ姿は、ちょっとユーモラスで親近感を覚える写真です。

 

東京―桜


Patrick Mordiさんのコメントで「Pink Day」と書いてあるこちらの桜の作品は、「桜って日本人だけのものじゃないんだよ。」とさりげなく教えてくれるような、桜と一緒に映ったPatrick Mordiさんが格好良い一枚になっています。Patrick Mordiさんのピンクの帽子も、桜色とマッチしていて素敵ですね。Patrick Mordiさんのさりげないオシャレ心と、桜に包まれて柔らかい雰囲気を醸し出すPatrick Mordiさんが、とても素敵な一枚に写真です。

東京―夜の品川


この写真は、開発目覚しい品川地区の飲み屋街の写真です。今や都心を代表する場所になった品川に、こんなに昔ながらの人情味あふれる通りがあったのですね。活気あふれる昭和の時代を思わず思い起こしてしまうくらい、熱気と湿り気のある夜の街を綺麗にうつした写真です。Patrick Mordiさんのコメントで、「本当の色」と綴られているのですが、本当の色・・・・というのがとても奥深い言葉ですね。私たちの目には、普段写すことを忘れてしまったような、町並みの熱気や活気を、Patrick Mordiさんがカメラの世界で表現してくれているのかもしれません。

東京―渋谷 警察の光


この写真は、夜の渋谷をパトロールするパトカーの艶やかな写真です。普段な何気なく見過ごしてしまうパトカーのスタイリッシュな姿に周りのネオンが映り込む一瞬をきりとっていますね。何気ない渋谷の穏やかな日常のような写真ですが、渋谷という場所にパトカーが多く駐在している意味を無言で訴える、ピリッとスパイスのきいた演出になります。

東京―渋谷 スクランブル交差点


こちらも夜の渋谷の写真です。有名なスクランブル交差点の、歩行者と車が切り替わるタイミングを撮影した写真ですね。建物やお店、一つ一つの看板や電子掲示板から照らされる青・赤・黄色の光。それが濡れた道路や、建物のガラスに乱反射して、まさに眠らない街と言われる様子を示しているかのような写真です。 Patrick Mordiさんのコメントで「黄色いバイブ」と書かれていますが、ネオンの熱気だけじゃない、それを作り上げる、今その場に渋谷にいる人たちの熱気が、赤でも青でもなく、黄色いバイブとしてPatrick Mordiさんには感じることができたのでしょう。夜なのに、「黄色」と表現されたことに、夜が更けていく今から、さらに人為的な光に照らされて活気をおびていくことが表現されているように思えます。

Patrick Mordiさんは何故このような東京を撮り続けるのか?


このような日本人でも、気づかないような日本の姿にPatrick Mordiさんは何故気づき、写真として撮り続けているのでしょうか?それは、Patrick Mordiさんが彼自身の目で東京に深い感銘を受け、ある意味で彼のパワースポットとして東京の街を私たちと同じように愛してくれていることが一つの理由です。

 

多才な彼を作り上げた過去


PATRICKMORDIはアメリカの南部コロンビアにほど近い、メリーランド州ボルチモアという場所で生まれ育ちました。その後ナイジェリアのラゴスという場所に移動しています。消して治安が良いといえないこの場所で多感な幼小期を育ち、国際的でフラットな感覚を身につけていったのだと思われます。その後9歳の時に現在のオランダアムステルダムに移住しました。このような彼の国際色豊かなバックグラウンドは、写真家として彼の活動に多くの影響を与えています。

失われた情熱


その後、感性豊かな才能と独自のバックグラウンドから、彼は写真家としてだけでなく、アムステルダムでDJとしても活動します。音楽への造詣も深く、さらに音楽への献身的な愛と情熱を注ぎ続けたPatrick Mordiさんは、オランダのDJシーンでもトップに入るほどの実力で、アムステルダムからドバイのあらゆるところでプレイしたそうです。そんな彼のDJとしても、写真家としても順調な生活は続いていましたが、ある日忽然と空っぽになったかのように気持ちが乗らない日々が始まりました。多才でDJや写真に情熱を注ぎ続けてきた結果、その情熱を燃えたぎらせる原料が少なくなってしまったのです。

東京の街で再び燃やした情熱


彼は一度、自分自身を見つめるために、友人とプライベートで東京へ旅行に行くことにしました。兼ねてより日本文化などに興味もあったそうです。そして、なんのきなしに訪れた東京の街で出会ったのは・・・・彼が今まで旅した街では感じなかったような感情でした。東京は、他の都市と比べても規模や機能が飛び抜けて大きいわけではありません。しかし、コンパクトな町並みなのに最新のものから古き良き文化まで全てが揃っている・街並みは一見落ち着いていて穏やかなのに夜が更けても止まない活気と熱気が溢れている・人々もクールなようでいて、どこか人情味あふれている、そんな東京に心惹かれて気がついたらシャッターを押していたそうです。彼は東京で失われそうだった情熱を取り戻すことができたそうです。

最後に・・・


Patrick Mordiさんが私たちの知らないような東京の町並みを写真で撮っているのは、彼が取り戻した「情熱」が東京の街並みを写した写真に投影されて、街の活気をさらに色づかせて伝えているからかもしれません。誰でも持っている自分オリジナルの物の見方・自分のフィルターを、彼のようにもう一度情熱をもって色々なものを意識的に見てみると、いつもと変わった景色が見えるかもしれませんね。彼のインスタグラムでは、東京で撮った写真や、現在はアムステルダムでシャッターを切っている写真等も投稿されています。これからも彼のフィルターで覗いた写真をPatrick Mord」」vssiさんのインスタグラムでチェックしていきたいですね!