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– 2018-08-08 最新情報を元に加筆修正
クリスマスの定番と言えば…!そう、ケンタッキーフライドチキンです!「フライドチキン」と言えば、誰しもがケンタッキーフライドチキンと想像するくらい知名度が高いKFCですが、本日はそんなKFCのマーケティングについて迫って行きたいと思います!
ケンタッキーの創業者であるカーネル・サンダースはケンタッキー州で誕生しました。幼少期より料理を始め、「美味しいもので人を幸せにしたい」というKFCの企業理念の礎が作られました。
カーネル・サンダースは機関士、保険外交員、フェリーボート、タイヤのセールマンなど40種を超える職業を経験しました。タイヤのセールスマンをしている時に偶然出会った石油支配人に勧められてガソリンスタンドを起業します。
しかし、経営はなかなかに難しく、経営は安定しませんでした。そんなある時、カーネル・サンダースはガソリンスタンドを利用する顧客向けに小さなカフェ「サンダース・カフェ」を造りました。
「サンダース・カフェ」の看板商品はそう、「フライドチキン」でした。次第に「サンダース・カフェ」には行列ができるようになり、街中で評判になりました。
そんな中なんと、街人へ大きな貢献をしたとしてケンタッキー州知事から「名誉称号」をもらいます。ちなにカーネル・サンダースの「カーネル」はケンタッキー州から与えられる名誉称号の名前です。実は「カーネル・サンダース」は本名ではなく、「偉大な・サンダースさん」みたいな意味なんですね!(本名は「ハーランド・デーヴィッド・サンダース」です。)そんな「カーネル」の称号を授与されるキッカケとなった「サンダース・カフェ」ですが、次第に経営が危うくなりついに潰れてしまいました。
この時カーネル・サンダースが思いついたのは、お店の「フライドチキン」のレシピを教える対価としてお金をもらうFCビジネスです。KFC誕生の瞬間でした。
今では、「クリスマスと言えば」誰しもが想像するKFCの「フライドチキン」ですが、日本に進出した当時は実はあまり上手く行きませんでした。1970年に開催された大阪・日本万国博覧会でKFCのお披露目を行い、その後名古屋に第一号店をオープンさせました。
米国同様にハイウェイ近くの郊外に店舗を設置する戦略で店舗計画を推進していましたが、米国と異なり当時の日本ではまだ自動車の普及率が高くなかったため、「行ってみたいけど、行けない」人が多く、客数が伸び悩みました。
しかし「ケンタッキーの味」を信じ、郊外だけでない都会への出店や、日本のマーケットに合わせた商品開発などを次々と打ち出し、徐々に形成を逆転していきます。1973年12月には100号店が開店し、1980年度末に300店舗を達成しました。1988年にはKFCの売上高が1,000億円を突破し急成長していきます。
米国の郊外型とは異なる日本の都会型の店舗方式はKFCのアジア太平洋地区の成功モデルとして韓国や台湾などにも店舗モデルが横展開され、KFCの日本法人はアジア太平洋地区の本社機能を担うようになりました。
米国本社のやり方に捉われず、「味」という強みを活かしながらも店舗展開については日本市場に合わせるというローカル戦略が功を奏し、KFCは日本で大成功を勝ち取りました。今では、KFCを知らない日本人はいないというくらいに生活に根付いていますよね!
ファーストフードと言えば、もちろんKFCを思い浮かべる人も多いかと思いますが、やはり1番イメージが強いのはマクドナルドではないでしょうか?日本に住んでいると、どこの駅で降りても必ず駅前にマクドナルドがあるのではないかというほど店舗の数が多いように感じます。
一方でKFCは、そこまでは店舗数がないような印象ですよね。実際に店舗数を比較すると、マクドナルドが約3,000店舗でKFCは約1,000店舗でマクドナルがケンタッキーの約3倍の店舗数を誇っています。
日本ではマクドナルドの方がビジネス規模の観点ではKFCより成功しているわけですが、中国では、全く状況が違います。中国に旅行したことがある人ならご存知だと思うのですが、街中がKFCだらけなのです!少し古いデータですが、2010年頃の時点では中国国内のそれぞれの店舗数は、マクドナルドが約1,000店舗、KFCが約3,000店舗でした。
日本とは真逆の状態ですよね。どうしてKFCが中国で大成功をおさめることができたかと気になる方も多いかと思いますが、その成功の鍵は店舗舗拡大戦略にありました。
マクドナルドが中国市場に参入するよりも早く、KFCは中国国内で急速に店舗数を拡大していきました。次第に中国国内では、「ファーストフード=KFC」というイメージが根付くようになり、ファーストフード市場の中でトップのシェアを獲得するようになったのです。
直近では、中国国内で反米意識が高まり、KFCとマクドナルドの両方ともに対して不買運動が起きており、一時的には人気が落ちてきています。
市場が大きく、かつ今後の成長率が期待できる中国ですが、やはり外資系の外食産業となると政治や外交が起因となって不買運動が起きるなどのガバメントリスクがあるので難しいところですよね。
ケンタッキーの人気メニューといえば、まずは「オリジナルチキン」です。丁度良い脂身と引き締まったお肉がジューシーに仕上がっているKFCの永遠の定番商品です。カーネル・サンダースが考案した当時から殆どレシピが変わっていないようで、まさにKFCの歴史が詰め込まれたメニューです。
人気商品といえば「カーネルクリスピー」も外せないメニューですよね!サクサクの衣に包まれたチキンとほんのり薫るガーリックの味付けの組み合わせは、抜群に美味しいですよね!
「カーネルリングポテト」も根強いファンが多くいます。フライドポテトというとマクドナルドを連想する方も多いと思いますが、KFCのフライドポテトは、ゴロゴロしたポテトが贅沢に使われていて、本来の「ポテト」の味を存分に愉しめる本格的な「フライドポテト」ですよね。私も大好きです!
KFCというと親しみやすくてなんだか可愛らしいイメージがありますが、実は外食企業の中でも非常に戦略的なマーケティング活動を行なっている企業なのです。メルマガ、アプリ、各種SNS等の自社のデジタル資産をフル活用した「CRM(Customer Relationship Management)」施策に力入れており、かなり戦略的に顧客満足度の獲得・顧客ロイヤリティの向上に取り組んでいます。
例えば、メルマガ、アプリの活用でいうと、「1度訪れたけれども2度目の来店がない顧客」に対して来店を即すメールを配信する、というような打ち手を打っています。また、「カーネルクラブ」というケンタキーの会員クラブを作り、クラブ上では、手軽なインターネットオーダーサービスや会員限定イベントの告知などを提供することによって、会員のロイヤリティを高めるような取り組みが行われています。
こちらの素敵なお写真はKFC西葛西店より @mf_1981 さんの1枚です😍
KFCはもちろん「インスタグラム」を活用しています。「kfc_japan」というオフィシャルアカウントを持っており、投稿は現在まで187件、フォロワーは9,587人がついています。(2017年4月現在)1投稿あたりのいいね!数は300~400程度の高水準で安定しており、高いエンゲージメント率を維持しています。
投稿の内容としては、「オリジナルチキン」や「カーネルクリスピー」などの商品紹介とカーネルサンダースの可愛いキャラ弁などのブランディングコンテンツが半々の構成となっております。ポップで可愛くて、家族や友達達とついついKFCに行きたくなってしまうような温かみのあるコンテンツが多いです。
一方で、KFCは「kfc」というアカウント名でグローバルのKFCのアカウント運用を行なっているのですが、こちらのコンテンツもなかなか面白いです。ゴールドのダンディーなカーネル・サンダースやグラサンをかけた”ちょい悪”サンダースの投稿がされていたりとなかなかにユーモアたっぷりでカッコいいです。
また、カクテルグラスにオリジナルチキンを入れてみたり、チキンをリボンで包んでみたり、なかなか洒落たことをやっています。フォロワーの数は100万人を超えており、また1投稿あたりのいいね!が1万を超えることもあり、さすがと言ったところです。
カーネル・サンダースは、「成功は多くの人と分かち合いたい」と目の前にいる仲間たちを大事にしていつも仲間のことを想い続けていました。また、慈善活動も積極的に行い、恵まれない孤児院の子供たちのために毎日アイスクリームを作ったり、基金を設立したりしました。
「引退を考えずにできるだけ働き続けろ」これは、カーネル・サンダースが残した言葉ですが、彼は一生「働くことへの情熱」を失いませんでした。90歳で亡くなる最後まで生涯現役を通したカーネルサンダース。彼の想いや情熱が詰まったKFCに久しぶり足を運んではいかがでしょうか?