まるで別の惑星! エジプト・白砂漠



みなさんが「エジプトの砂漠」と聞いて思い浮かべるのは、ピラミッドやスフィンクス、または黄金色の砂丘などかもしれません。

しかしエジプト西部には、そんな砂漠のイメージを一変させる不思議な形の岩などが点在する「白砂漠」と呼ばれる奇妙なスポットがあるのです。数あるエジプトの砂漠の中でも、一際異彩を放つこの「白砂漠」。

ここにはとても幻想的で不思議な空間が広がっています。当エントリーでは、その白砂漠の魅力について徹底リポートします!

白砂漠とは

白砂漠へは、エジプトの首都カイロから砂漠の中を南西方向へ車で7時間ほど。約300キロに渡って広がり、砂漠一面真っ白に見える美しい光景が、多くの人の心を捉え人気を呼んでいるスポットです。

この砂漠の真ん中に雪が降り積もったかのようなこの光景は、実ははるか昔、この一帯が海底だったことの名残なのです。長い年月が経過し、水分が蒸発して、サンゴや貝類が石灰岩となったんです。それらがこの幻想的な白い砂漠を生み出している源となっています。

地球が作ったオブジェ

この「白砂漠」には、あちらこちらに奇妙な形をした岩が点在しています。この白い岩は、海底に降り積もったサンゴの死骸が、石灰岩となり、数千年もの時間をかけて、風によって少しずつ削られ侵食されたもの。いわゆる地球が作り出した芸術作品そのものなのです。

岩の形は多種多様で、まるできのこのような形をしていたり、鳥や人のような形をしたものなど、風の仕業とは思えず、まるで彫刻家が彫ったような気にさせてくれるのです。

この白砂漠を眺めてると、まるで遠く離れた銀河系にある別の惑星に迷い込んでしまったかのような感覚に陥ります。夜には目の前に広がる満点の星空。宇宙空間の中に吸い込まれ迷い込んでしまったかのような気持ちとなり、よく白砂漠に訪れた人たちは、「ここに行くと心が迷子になる」という表現をします。

「死の世界」である砂漠の真ん中で、完全な闇と静寂の中、空を見上げると距離も分からなくなるほどのミルキーウェイ。地平線の向こうから登ってくる朝日を眺めながら、オレンジ色の光に包まれる景色はまさに圧巻。視覚や聴覚、身体のあらゆる感覚を研ぎ澄ませるこの時間は、日本ではめったに味わえるものではないです。

白砂漠でキャンプをしてみよう!

そんな幻想的な白砂漠では、キャンプをすることができるのです! ツアーを申し込んだら、中間地点となるハバレイヤ・オアシスまでバスで向かいます。そこからドライバーの方がピックアップしてくれて4WDの車に乗り込み砂漠を駆け抜けます!

砂漠にタイヤを取られて立ち往生するなども頻繁にありますが、そこは砂漠の旅にとって仕方ないこと。ツアー客で力をあわせて車を押し出すなど、砂漠の旅の醍醐味を楽しみましょう!

拠点となる場所についたら、キャンプ設営のお手伝い! 秘密基地を作るような気分で、幼少期を思い出しながらわいわい楽しみましょう。

日没後の砂漠は冷え込みますので、焚き火をしながらリラックス。砂漠の原住民、べドウィン出身であるツアーガイドが、伝統料理の手配もしてくれるので一安心です。

食後は、焚き火を囲んでエジプト名物のチャイティーなどを飲みながら、世界中から集まったツアー客と語らうのも一興。余計な人工的な音は一切なく、風の音、空の色、そしてとても明るい月や星の輝きに神経が研ぎ澄まされていくのがわかります。

ごくまれに、美味しい料理のにおいにつられて、砂漠に生息する野生のキツネが姿を現します。まるで絵本「星の王子さま」の有名なシーンのようですね。

さきほども書いたように、砂漠の夜は不気味なほどの圧倒的な星空に包まれます。いくつもの流れ星や、天の川を眺めながら、いにしえの人々がこの自然を見て、何を思っていたのかと思いをはせます。

翌朝、日が昇る前にガイドさんが起こしてくれます。朝日に輝き包まれる砂漠をみることができるためです。朝日のぬくもりを感じながら、エジプトの伝統料理であるパンのアエーシをモーニングにいただきます。

シャワーや電気などはないけれど、大自然の中に囲まれたこのようなキャンプがいかに人間らしさを取り戻すことができて、尊い時間なのかを感じることができ、贅沢であるかを痛感できるツアーとなっています。

さいごに

エジプト、白砂漠の魅力についての当記事はいかがでしたか! また白砂漠の近くには、美しいオアシスなどもあり、砂漠には珍しい温泉が湧いている地域もるんです。

日本では感じることのできない様々なアクティビティを楽しみながら、自身の感覚を研ぎ図ますこのツアーに一度参加されるのも、今後の人生経験の糧になると思います。