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– 2018-08-18 最新情報を元に加筆修正
今や人気SNSの中心的存在にまで成長したInstagram。当初は個人の投稿がメインでしたが、今や企業も自社アカウントを作り利用するようになりました。
そんなインスタで話題となっているのが、企業のキャンペーンです。かつては写真を載せてユーザーにアピールするという方法が主流でした。
しかし、今ではそれがさらに進化してキャンペーンを行うことにより、より身近に企業やその商品を感じてもらおうという流れにシフトチェンジしてきています。「でも、そもそもインスタでキャンペーンって何?」と思う方もいるでしょう。
ここでは、インスタを使ったキャンペーンの例を、国内と海外に分けていくつかご紹介します。
インスタグラムのキャンペーンへの参加方法は、それぞれの企業や団体によって異なりますが、よくある事例は以下の通りです。
ステップ1:アカウントをフォローする
ステップ2:指定されたハッシュタグを付け、規定に沿った写真をアップする
ステップ3:当選すると、フォローしたアカウントから当選メッセージがダイレクトメッセージで届く
一般ユーザーが撮った写真にはリアリティーがあり、なおかつインスタは性別や年齢、趣味などを問わない不特定多数の人が利用しています。
それに目をつけ、多くの企業はこのように、アカウントをフォローしてくれた一般ユーザーに自社製品や企業に関係のある写真をアップしてもらうキャンペーンを実施し、さらに新規のファンを増やそうと考えているのです。
また、ホームページ上で宣伝するよりも、スマホ片手に手軽にアクセスできるSNSで宣伝したほうが、より多くのユーザーが参加しやすい環境になるということで、この手法でのキャンペーンの需要は伸び続けています。
例その1:シュウウエムラ(コスメブランド)
有名コスメブランドのシュウウエムラが以前行っていたキャンペーンの名前は、ずばり「セレブ猫コンテスト」。
猫の写真か、キャットメイクをした写真をタグ付けしてアップすると、その写真が猫のモザイクの一部となり、特典としてメイクグッズがもらえるという内容です。
若い女性とインスタで大人気の猫を上手く組み合わせたキャンペーンの事例です。
スニーカーが人気のブランド、ニューバランス・ジャパンが行ったキャンペーンは、女性に大人気のモデル三戸なつめさんとのコラボです。
ニューバランスのスニーカーと自分の写真をタグを付けてアップし、三戸なつめさんが「カワイイ!」と選んだ人にプレゼントが贈られるという仕組みです。10代、20代のインスタ世代の心をつかんだキャンペーンの一例でした。
大手百貨店西武・そごうは、その中の一店「ハニカムムード」のキャンペーンを実施しました。
その内容は、あるテーマに沿った写真をハッシュタグを付けて投稿すると、抽選で木製のスツールと多肉植物が当たるというもの。若い世代だけではなく、大人の世代も視野に入れたキャンペーンです。
大手旅行サイトHISが仕掛けたのは、学生がターゲットのキャンペーンです。
世界遺産やオモシロ写真、グルメなど3つのテーマで写真をハッシュタグ付きでインスタにアップし、お店でその投稿写真を見せると旅行代金が割引になるという、また少し趣向が違う内容です。
インスタのユーザー層を上手く捉え、またお金に余裕のない学生のニーズに答えた事例でした。
国内のキャンペーンはとてもユニークで工夫を凝らしたものばかりでしたが、海外もそれに負けてはいません。さらに独創的でユーザーにインパクトを与えられるようなキャンペーンが数多くあります。その一部をご紹介しましょう。
トルコのビスケット会社Biskremは、なんとインスタの機能を利用したゲームでキャンペーンを実施しました。
その内容は、消えてしまったBiskremの代わりに、ユーザーがビスケットづくりの様々な障害を乗り越えながらBiskremを開発するというもの。
このストーリー設定だけでも十分インパクト大ですが、さらにユニークなのがそのやり方で、ユーザーは写真や動画の投稿だけではなく地図やタグ付け、ダイレクトメッセージなどインスタのあらゆる機能を駆使しなければならないというこだわりぶりなのです。
これだけの大掛かりで手間がかかるキャンペーンでありながら、フォロワー数はなんと脅威の850%アップ。それに加えて1万近いポジティブなリアクションがあり、企業の認知度を広める目的では大成功となりました。
赤十字がインスタでキャンペーンをするというのは、少しイメージが結びつきにくいかもしれません。しかし、インスタでキャンペーンをするのには深い事情があったのです。
実はハンガリーでは毎日心肺停止で70人もの人が命を落としていますが、国民で心肺蘇生法を知っているのはわずかに10%程度という現状があります。これをどうにかしたいと考えたハンガリー赤十字が打ち出したのが、インスタを使った心肺蘇生法の啓蒙とレクチャーです。
まず始めに動画をタップすると、テニスをしている男性が急に心臓発作で倒れ、大きく鼓動を打つハートマークが現れます。すると、上に「TAP」という文字が出るので、ユーザーはそれに合わせて画面をタップします。すると、その都度「いいね!」されたということになり、さらに動画が拡散されていきます。
最後に「命はあなたが思っている以上に簡単に救えます」という文言が出てきて、ユーザーに心肺蘇生の重要さを訴えるというキャンペーン内容になっています。
若い世代の心肺蘇生に対するハードなイメージを、ゲーム感覚でなおかつ強いインパクトを与えて打ち破ろうとしたハンガリー赤十字のこの発想は、狙い通りとても話題になりました。
メルセデス・ベンツが2014年の夏に実施したキャンペーンは、車のカーゴスペース(後ろの荷物などが置けるスペース)に何を入れてドライブしますかというテーマでインスタに写真を投稿してもらおうというものです。
まず写真家やメイクアップアーティストを起用し、その人たちにGLAを貸し出して荷物を積んだ写真を投稿してもらいます。他のユーザーは自分がフォローしているインスタグラマーの写真を通してGLAを知り、キャンペーンに参加するという流れです。
メルセデス・ベンツでは、この他にも過去にユニークなキャンペーンを行っています。
例えば、新車のキャンペーンの場合。その内容は、5人の写真家を集めて5日間その新車で旅行をしてもらい、その道中に車内から撮った写真をインスタにアップし最も多く「いいね!」が付いた人に新車をプレゼントするという太っ腹なものでした。
それと同時進行で、なんと一般のユーザーも試乗体験できるキャンペーンも実施していました。
ちなみに、日本のメルセデス・ベンツでもかつてテーマに沿った写真をアップしてもらうというキャンペーンを行っていたことがあります。
国内のキャンペーンは、商品やサービスを提供することにより少しでも多くのユーザーに企業のことを知ってもらうやり方が多いですが、海外はゲーム形式のものから商品体験型まで独創的なものが多く見られる印象です。
国内のものは誰でも参加しやすい形、海外はその少し応用編といったところでしょうか。参加するとなると国内のものがメインになると思いますが、興味のある方は海外の面白キャンペーンも覗いてみると良いでしょう。
どちらもよく工夫されていて、その企業や団体の特色を楽しく知ることができるものばかりなので、定期的にアカウントをチェックして気になるキャンペーンにぜひ一度参加してみてください。