「会社でインスタグラム広告の担当になったものの、どう配信するか分からない…」「自分の商品やサービスを宣伝したい…」と思われている方のために、今回SNS広告一つ『インスタグラム広告』の種類・特徴や広告の出し方を解説していきます。
インスタグラム広告は、ビジュアル訴求や高性能なターゲティングが行えるなど、企業のプロモーションとの親和性が高く、今では企業もマーケティング戦略に組み込むのが当たり前になっているほどです。ですがインスタグラム広告を出すには、Facebookで広告アカウントを作成したり、詳細な広告内容を設定する必要があるため簡単ではなく、広告を出したことのない方は少し難しく思うかもしれません。
当記事では「初めての方でもインスタグラム広告を出せる」という事を目標に、設定方法や種類・特徴の概要を一つずつ順番に解説していきます。
まずInstagram広告(インスタグラム広告)とは、写真共有SNSであるインスタグラムで配信される広告のことを指します。そのインスタグラム広告はFacebook社が提供するFacebook広告をインスタグラム上で配信するプロモーション手法です。
インスタグラム広告の特徴は、Facebook広告と同じプラットフォームから配信できるため、高性能なターゲティング性能により詳細なユーザーのカテゴライズと可能性の高い見込み客に向けて広告を配信することができます。
Facebookの調査結果ではうち82%の人がInstagram上での投稿が関連して、行動を起こしていることを公表しています。
上記の表から分かるように、インスタグラムは他のSNSに比べて月間アクティブユーザー数(MAU)の増加が著しく、日本では現在4人に1人がインスタグラムを利用している状況です。2019年には親サービスであるFacebookのアクティブユーザー数を追い抜き3,300万人まで達しています。
インスタグラムの男女別ユーザー構成は、10代(17歳)~40代のユーザー数の割合が多く、特に10代~20代の女性ユーザーの利用率が最も高いことが特徴として挙げられます。
インスタグラムは、雑誌感覚・ビジュアル訴求、フィードとストーリーズの使い分け、ハッシュタグでのターゲティング性能など、ビジネス的な利用との親和性が高く、今では企業も当たり前の様にインスタグラムをマーケティング 戦略に組み込んでいます。
インスタグラム広告で適切な広告をユーザーに届け、最大限の費用対効果を発揮するためには全ての広告特性を理解した上で広告を配信することが重要になってきます。
基本インスタグラム広告は、大まかに『ストーリー広告』『フィード広告』『発見タブ広告』の3つの広告配置に分かれていて、インスタグラムで配信できる広告は全部で6種類のフォーマットタイプが存在しています。
それぞれ表示様式や特徴が異なるので、以下でインスタグラム広告の種類を一つずつ詳しく解説していきます。
出典:Instagram for businessより
インスタグラム『ストーリー広告』の特徴は、クリエイティブで魅力的かつ没入感のあるフルスクリーンの広告フォーマットで、動画や写真を効果的に掲載することができます。
ユーザがフォローしているアカウントのストーリーを3つ再生するか、1アカウントが4つ以上のストーリーを配信していた場合、そのストーリーを見終わった後に広告が流れる様な仕組みになっています。
リーチ、動画の再生数アップ、トラフィック、コンバージョン、アプリのインストール、ブランドの認知度アップなどに最適化することで、ビジネスに成果をもたらす写真と動画をシェアできます。Facebookによる人ベースの信頼できる優れたターゲティングをもとに、毎日ストーリーズを利用する5億人以上のアカウントにアクションを促すことができます。
出典:Instagram for businessより
インスタグラムの『写真広告』は、フォローしているアカウントが投稿する一般投稿のフィード(タイムライン)、ストーリー、発見タブに表示される広告です。
写真広告は、正方形、横型、縦型いずれかの一枚の画像と2200文字以内のテキストで構成されたシンプルでビジュアルを伝えやすい広告フォーマットです。フィード画面をスクロールすると、フォローしているアカウントの投稿に混ざって広告が流れてくるため、ユーザーの日常生活に溶け込んで広告を掲載できることが特徴です。
フィード画面に広告が流れるため、タイミングを選ばずに知ってほしいものを紹介するときや「詳しくは」「お問合せ」の様にユーザーをリンクへ誘導したい場合にに効果的。
インスタグラムの『動画広告』の特徴は、2200文字以内のテキストと音と動きを駆使した最大60秒の動画を横型または正方形のフォーマットでシェアすることができ、上質なビジュアルでストーリーを伝えることができます。広告配置は写真広告と同様にフォローしているユーザーが投稿するフィード(タイムライン)、ストーリー、発見タブに表示されます。
インスタグラムの動画広告は、動きと音声がつくため、写真だけでは伝えきれない商品やサービスの魅力を紹介したいときに効果的です。
インスタグラムの『カルーセル広告』の特徴は、2200文字以内のテキストと利用者がスワイプできる写真と動画を最大10枚並べて広告を配信することができます。広告配置は写真広告・動画広告と同様にフォローしているユーザーが投稿するフィード(タイムライン)、ストーリーに広告が配信されます。
カルーセル広告は、それぞれの写真や動画に別々のリンクを張ることができるため、「複数の商品やサービスを紹介したいとき」「単体の商品やサービスの魅力を多角的に伝えたいとき」に効果的です。
インスタグラムの『コレクション広告』は、興味や関心を持ったユーザーが写真や動画をタップすることで、商品やサービスをカタログ形式で表示できる広告フォーマットです。
コレクション広告の特徴は、メインのカバー画像または動画と、それに続く4枚の商品画像で構成され、ビジュアルでターゲット層のインスピレーションをかき立て、「商品の発見」、「閲覧」、「購入」をシームレスに促すことができます。
コレクション広告は写真や動画をつかい、製品やサービスをライフスタイルに焦点をあて、総合的なストーリーを伝いたいときに効果的です。
インスタグラムの『発見タブ広告』は、ホームボタンの隣の虫眼鏡マーク「発見タブ」の画面で表示される、最近導入された新しい広告フォーマットです。
発見タブ広告の特徴は、一人ひとりの興味・関心に基づきパーソナライズ、厳選されたコンテンツが表示されるため、新しいものを積極的に探している人へのリーチすることができます。
発見タブ広告は、パーソナライズされたフォローユーザー以外のコンテンツも表示されるため、キャンペーン対象範囲の拡大や、ブランドと親和性が高いコンテキストの中で、トレンドの一部として、何か新しいものを積極的に探している新規顧客にリーチさせたいときに効果的です。
インスタグラム発見グリッドで小さいメディアをクリックすると、発見フィード(中央の画像)に移動し、ここにはインスタグラムのフィードと同様に、写真広告と動画広告の両方が表示されます。大きいメディアをクリックすると、発見タブの動画エクスペリエンス(右の画像)に移動し、ここには動画広告のみが表示されます。
ここからは実際に、以下の順でインスタグラム広告の設定方法を画像を付けて詳しく解説していきたいと思います。
インスタグラムで広告を掲載するためには、まず初めにFacebookページを作成して、インスタグラムのアカウントと連携させる必要があります。
インスタグラムのアカウントに関しては絶対に必要というわけではありませんが、インスタグラムのアカウントが無いと、広告に対してユーザーのアクション(いいね!、コメント、フォローetc.)などがもらえないので、基本的にはインスタグラムのアカウントを用意しておくことをおススメします。
▼FacebookページとInstagramアカウント連携までの準備は以下の通り。
step1.Facebookアカウントから『ページ』をクリック
step2.『+新しいページを作成』をクリック
step3.ページ情報を入力
ページの作成後、画像や連絡先情報、その他の詳細を追加できます。
Facebookビジネスマネージャでは、広告アカウントやFacebookページを使った作業を一か所で管理することの出来る無料のサービスで、広告を作成するために必要になるツールです。事業規模によってはパワーエディターなどで広告を作成するときもありますが、大抵のニーズはFacebookビジネスマネージャで対応できます。
step1.基本情報を入力
step2.詳細情報を入力
step1.Facebookビジネスマネージャから【ビジネス設定】をクリック
左のメニューバーからビジネス設定をクリックしてください。
step2.ビジネス設定画面から【ページ】→【追加】を選択
ビジネス設定の項目から【アカウント】ページを選択して、表示された画面の【追加】をクリックしてください。
step3.【ページを追加】をクリック
追加をクリックすると、『ページを追加』『Facebookページのアクセスをリクエスト』『新しいFacebookページを作成』の3つが表示されるので、管理者であるならページを追加、もしくはFacebookページの管理者が別にいる場合は、Facebookページのアクセスをリクエストしてください。
step4.作成した【Facebookページ】を選択
追加したいFacebookページの名前を入力して、『ページを追加』をクリック。
step5.『(作成Facebookページ名)を追加』と出たら完了
Facebookページ(ページ名)を追加と出たら、完了です。
step1.Facebookページ管理の【設定】をクリック
Facebookの個人アカウント画面左のタブから『設定』をクリックしてください。
step2.左の項目から【Instagram】→【アカウントをリンク】をクリック
Facebookのページ設定画面が表示されるので、左のタブから『Instagram』をクリック。インスタグラムのアカウント情報を入力してログインをしたら、インスタグラムとの連携は完了です。
step1.プロフィールの【メニュータブ】→【設定】をタップ
step2.設定画面の【ビジネス】→【Facebookページにリンク】をタップ
step3.ビジネス画面の【既存のページをリンク】→【Facebookページを選択】
インスタグラムで使用するFacebookの広告アカウントは、『個人アカウント』と『広告アカウント』の2つを別々に運用することができます。そのため、個人アカウントとは別に、広告アカウントの作成が必要になります。広告アカウントの作成と追加方法を図を見るだけで分かるように解説していきます。
▼Facebookの広告アカウント作成方法は以下の手順です。一つずつ順を追って解説していきます。
step1.Facebookビジネスマネージャから【ビジネス設定】をクリック
step2.【広告アカウント】→【新しい広告アカウントを作成】をクリック
step3.基本情報を入力
step4.ビジネス分類を選択
step5.広告アカウントの権限を選択
step6.支払い情報を入力
▼Facebook広告アカウントの追加方法は以下の手順です。一つずつ順を追って解説していきます。
step1.Facebook広告マネージャ画面から【ビジネス設定】をクリック
step2.ビジネス設定の項目から【広告アカウント】→【追加】をクリック
step3.【広告アカウントを追加】をクリック
step4.広告アカウントIDを入力して追加
ここから実際に広告の目的や予算、オーディエンスなどを設定していきます。キャンペーンの作成は少し手順が多いですが、インスタグラム広告を使い、いくらの予算で、どんなターゲットにリーチしたいのかなど、事前に決めておきくとスムーズに設定できます。
step1.メニューバーから【広告マネージャ】をクリック
Facebook広告マネージャの設定画面からキャンペーンの設定を行います。
step2.キャンペーンの目的を選択
▼キャンペーン目的の内容については以下の表にまとめました。
step3.キャンペーン名と詳細を入力
キャンペーン名を入力したら、再度キャンペーンの詳細(目的)を確認しましょう。
step4.キャンペーンの予算を入力
・キャンペーン予算
通算予算を選択すると、予算以上の金額が消化されることはありません。1日の予算を選択した場合は、消化がより多くなる日もあれば、より少なくなる日もありますが、平均の一日の予算は指定された金額に収まります。
・キャンペーン入札戦略
キャンペーン入札戦略によって、キャンペーン内の広告セットそれぞれの入札戦略が決定されます。キャンペーン入札戦略にコントロールの設定が含まれる場合、広告セットの作成時にそのコントロールが設定されます。入札戦略は、結果を得るために予算をどう消化するか、全体的なアプローチを示すものです。広告オークションでの入札は、入札戦略に基づいたやり方で行われます。
・広告スケジュール
広告を配信する時間と曜日を設定することができます。
step5.広告セット名を決めCV(コンバージョン)先を選択
キャンペーンの予算は『1日の予算』『通算の予算』の2つから選ぶことができます。キャンペーン名、キャンペーンの詳細(目的)、予算を設定したら【次へ】をクリックして次のページへ行きます。
広告セットの設定では、CV(コンバージョン)先やターゲティング方法(オーディエンス)、広告配置などを設定していきます。
【Facebookピクセルの設定】
Facebookピクセルは、ウェブサイトで実行されたアクションを把握して、宣伝の効果を測定できる分析ツールです。
▼Facebookピクセルでは、以下の目的で使用します。
step6.【ダイナミッククリエイティブ】【クーポン】を任意設定
・ダイナミッククリエイティブ
画像や見出しなどのクリエイティブ要素を追加すると、オーディエンスに合わせて最適化する形で、それらの組み合わせが自動的に生成されます。一件または複数の要素に応じて様々なテンプレートやフォーマットが含まれる可能性がある。
・クーポン
保存できるクーポンを作成し、リマインダーを受け取れ様にすることでコンバージョンを増やすことができます。
step7.インスタグラム広告のターゲティング設定
ここからインスタグラムの広告ターゲティング方法の内容を解説します。
▼インスタグラムの広告ターゲティング方法は、Facebookと同様に3種類の方法があるので、以下で詳細を表にまとめていきます。
①カスタムオーディエンス
②類似オーディエンス
③コアオーディエンス
step8.広告配置を設定
広告の配置は『自動配置』と『手動配置』の2つから選ぶことができます。インスタグラムでの広告を行いたいのであれば、手動配置にチェックを入れて広告フォーマットを選択します。
step9.インスタグラムでの広告配置を選択
こちらでは広告配置のフォーマットを設定します。広告フォーマットについては、前述で一つずつ解説してるので、再度そちらを参照してみてください。
step10.広告配信の最適化設定
・リンククリック
広告をクリックする可能性が高い人に広告が配信されます。
・インプレッション
ターゲット層に含まれる人に出来るだけ多く広告が配信されます。
・デイリーユニークリーチ
ターゲット層に1日1回まで広告が配信されます。
ここまで設定が終わったら、次のページの設定へ行きます。
step11.広告名とInstagramアカウントを選択
step12.広告フォーマットを選択
ここでは広告フォーマットを選択します。
もし、広告作成を簡略化したいのであれば、『インスタントエクスペリエンスを追加』にチェックを入れると、テンプレート広告の一覧が表示されるので、商品やサービスにあった広告フォーマットをテンプレートから選ぶこともできます。
以下が、テンプレート広告の表示画面です。
step13.広告のテンプレート
step14.クリエイティブの設定
広告に使用するメディア、テキスト、リンク先を選択して下さい。それぞれのメディアでテキストをカスタマイズすることもできます。
また、作成した広告画面のプレビューが右側に表示されるので、確認してみましょう。
step15.トラッキングの設定
広告で誘発される可能性のあるコンバージョンが含まれるイベントデータセットをトラッキングします。広告アカウントに対して選択したコンバージョンが含まれるデータセットはデフォルトでトラッキングします。
・ウェブサイトイベント
コンバージョンのレポートやウェブサイトアクティビティのチェック、広告のターゲット層の構築を行うには、ピクセルコードをウェブサイトおよびインスタントエクスペリエンスに追加してください。
・オンラインイベント
オフラインでの売上とアクションのデータをアップロードして、広告のコンバージョンを測定します。その後、それらのアクションに基づき、広告のターゲットとなるオーディエンスを構築します。
・URLパラメーター(任意)
ウェブサイトのURLの最後にパラメーターを追加すると、ウェブサイトがどこからアクセスされているのかをトラッキングできます。
step16.基本情報を設定
step17.支払い情報を入力
支払い情報の入力が完了したら、広告内容の審査をリクエストします。承認されたらインスタグラムでの広告が開始されます。
いかがでしたでしょうか?
当記事では、インスタグラム広告の種類や広告の設定方法について解説しました。インスタグラム広告は親サービスであるFacebookが運営しているので、Facebookで広告アカウントなどを登録する必要があります。
インスタグラムやFacebookで広告を配信したことが無い方は、少し手順が多く難しいと思うかもしれません。そんな方のために図を使い見るだけで、設定が出来るように解説しましたので、皆さんの参考になれば幸いです。