その斬新なデザイン性やホテル業界に様々な革命をもたらし、2014年ヨーロッパ・ホテルデザインアワーズでホテルの建築部門・リノベーション分野で大賞を受賞するなど、業界から注目を集めているんです。
ホテルという場所を「宿泊するだけの場所」から「地域のコミュニティハブ」としての役割をもたらす側面を作った時代の最先端のホテル、それがエースホテルなのです。
エースホテルの特徴は、古い建築をリノベーションして独自のスタイルを提供するデザインホテルだという点。そのデザインでホテル業界に革命を起こし、アメリカ国内だけでなくヨーロッパにも展開し大成功したホテルフランチャイズなんです!
そのオシャレで遊び心のある空間は世界中の旅行者を惹き付けています。また同時に旅行者だけではなく、地元のアーティストやクリエイターからも絶大な支持を受け、彼らの創作アイデアが生まれる場としても機能しているようです。
1999年にシアトルで誕生したエースホテルですが、現在の本拠地はオレゴン州ポートランドにあります。ポートランドのダウンタウン、パールディストリクト地区の南側に位置し、もともと90年程前に建てられたクライドホテルという名前のホテルだったものをリノベーションしてオープンさせました。
近年、ポートランド自体も「トレンドを発信する街」として世界的に注目を集めていますよね。アメリカでは「最も住みたい街」として多くのメディアに取り上げられ、日本でも「POPEYE」など多くの雑誌の特集やガイドブックで紹介されているので、気になっている方も多いのではないでしょうか。
いまやエースホテルは世界各国にフランチャイズ展開していますが、どの街のエースホテルも街のアイコン的な存在となっています。
ポートランド店のエントランス脇のラウンジは雑誌などで見たことがある人も多いはず。
「ウェルカム・トゥ・エースホテル」とフレンドリーなスタッフが迎えてくれるレセプションでは、チェックインやチェックアウトの他にここでしか買えないグッズを販売。
中にはBEAMSやPORTER、Number (N)ineなど日本のブランドともコラボレーションしたグッズも取り扱っています。
創業者であるアレックス・コルダーウッド氏。元々はホテル経営者ではなく、地元シアトルで1993年に親友と共に理髪店を開業していたんです。
天性のデザインセンスと時代の先を読む力で、若者向けのロックテイストな内装デザインを施したレトロな理髪店は評判となり、90年代後半には10店舗開業する程までに成功を収めました。
その後、ホテル創設の話を持ちかけられ、友人と共に従来のホテルの常識に対する疑問を一つひとつ考えながら、全く新しい形のホテルを作り始めました。
1999年シアトルで海上労働者の訓練施設を改装し、ヴィンテージ家具やシアトルの現代アートでデザインした28室のみのエースホテルを開業しました。
コルダーウッド氏は「人と人を繋げること」を大切にホテル作りをはじめました。というもの、「ホテルという場所がただ単に部屋へ直行するような場所ではなく、長居したいと思える場所であるべきだ」という考えにたどり着いたからです。
そのためエースホテルは、まるで自宅にいるような居心地のよさを演出しながらも、地元企業と協力して地域と溶け込むようなリノベーションを行い、雰囲気作りを心がけているといいます。今ではホテルの近くには、さまざまなタイプの個性的なお店が集結しており、エースホテルがアンテナのような役割となって、感度の高い人たちが集まっています。
デザインホテルの先駆け、エースホテル特集はいかがだったでしょうか?
ただ観光地を巡ったり、ショッピングをするのではなく、暮らすように1つの街に滞在したり、ホテル自体が目的地になったりするような、旅のスタイルがこれから主流になるのかもしれません。
人と人を繋ぐ場所を備えたホテルが、これからのホテル業界のスタンダードになり、そんな「場」を提供するデザインホテルがこれから増えてくるでしょう。ちなみに日本でもエースホテルにインスピレーションを受けたホテル経営者も続々と誕生しています。
カジュアルでも独自のセンスを味わえるエースホテル。色々なアーティストやクリエーターとも出会えるその空間に一度足を運んでみませんか?