「キツネはニワトリと結婚してはいけない」世界の不思議なことわざ20選!


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– 2018-11-20 最新情報を元に加筆修正

ことわざは、昔からの言い伝え・戒め・皮肉・批評を短くまとめ、わたしたちの生活や考え方に少なからず影響を与えています。

世界にもたくさんのことわざがあり、その国の文化・価値観・習慣が色濃く映し出されているため、わたしたちには不思議なものに聞こえます。

ですが、その意味がわかったときは、なるほどとうなずいたり、笑ってしまったり、するものがたくさんあります。

イギリスのイラストレーター James Chapman さんは、そんな世界のことわざをキュートなイラストを使ってインスタグラムで紹介しています。

その中から厳選した20のことわざをいっしょにみていきましょう。

01.ゾウに乗ってバッタ狩り(タイ)

大きなゾウに乗っていったのに、捕まえるのは小さなバッタだったということから、「大きな投資をしたのに少しの利益しか得られなかった」という意味です。

タイは昔からゾウとの関りが深い国です。戦争になると、王様はゾウに乗って戦いました。

そんなことから、今もなおゾウは高貴・勇敢・誇りの象徴として崇められています。そんなタイならではのことわざですね。しかし、なぜバッタなのでしょうね?

02.二頭のトラはひとつの山を分け合うことはできない(中国)

虎は森や山の中でもっとも強く、縄張り意識の強い動物です。そんな虎どうしがひとつの山で仲良くは生きていくことができないことから、「リーダーが複数いる組織はまとまらないからひとりで十分」ということの例えです。

中国では、虎の文字は称賛や高い評価を表す言葉として用いられています。古来より、虎との結びつきが強い中国らしいことわざです。

03.書物はポケットにいれて持ち歩く庭のようなものだ(中国)

木・花・果実・土・石・鳥・水など、たくさんの美しいモノが庭には詰まっています。

そんな庭を書物に例えて、書物には多くの知識・経験・美が書物には描かれているという意味のことわざです。

なんだかポエムのようで素敵ですね。現代的では「スマホはポケットに入れて持ち歩く庭のようなものだ」となりそうですね。

04.人は休み過ぎると錆びる(ドイツ)

休むことも大切ですが、「怠けていては、人間は磨かれない」という皮肉めいたことわざです。

規律正しく責任感が強い国民性で知られるドイツらしい表現ですよね。

05.まくらは、最高のアドバイザーだ(スウェーデン)

「くよくよ考えていても良い結果や結論はでないから、早く寝てリフレッシュしてから考えなさい」という意味です。

スウェーデンのひとは、健康意識が高く、他人に頼らないという国民性があります。それがよくわかることわざですね。

06.虎と戦う微笑み(タイ)

虎との戦いは、恐怖を感じていることを虎に悟られたら負けてしまいます。「ニッコリと微笑みを浮かべることで、逆に虎に恐れを感じさせることが大切だ」という意味のことわざで、微笑みの国といわれるタイならでは表現ですね。

いつもニコニコしていて優しいタイの人の笑顔の裏には、そんな意味があるのかも。

07.美しいイチジクには虫が多い(ズールー)

一見きれいに見えるイチジクも、実は虫に食べられてボロボロだったということから、「人は見かけによらない」という意味です。

聖書ではイチジクは性欲のシンボルとして記述されていて、男女の関係は慎重にという意味もあるのかと愚推してしまいます。

08.眠っている海老は流される(コロンビア)

エビも眠っていると水に流されてしまうということから、「油断大敵」という意味のことわざです。コロンビアの財政はエビの輸出が大きな割合を占めるほど、エビの漁獲量が高い国です。

09.ワックスの頭を持つ者は、太陽の中を歩いてはいけません(イタリア)

「若い人たちが年寄りたちに賢い行動や知識をつけることを期待しても無理」という意味です。

「髪がうすくなったお年寄りが暑い日に外出するのは危険だが、いうことを聞かない」ということに皮肉を込めた表現ですね。イタリアは、ヨーロッパでも有数の長寿国です。そんなことも影響しているかもしれません。

10.お金があれば、犬さえも踊る(メキシコ)

「普通ではあり得ないことを起こすのがお金だ」という意味です。メキシコは、犬の原産地として有名で、あのチワワもメキシコ原産なんですよ。

11.いい言葉を聞けば猫だってご機嫌になる(ロシア)

「人はお世辞を言われると弱い」という意味で、日本でいえば「豚もおだてりゃ木に登る」という感じですね。

世界共通で猫には愛想がないと感じているんですね。ロシアには、世界でひとつしかない猫劇場があって、逆立ち・玉乗り・綱渡り・棒登りなど、たくさんの猫たちによるサーカスを楽しめます。

この猫劇場は日本でも興行していて今年も8月にやってくるようですよ。

12.虎穴に入らざれば虎子を得ず(日本)

虎の穴に入らないと虎のこどものような貴重なものを手に入らないということから、「危険を冒さなければ、大きな成功は得られない」という意味の日本のことわざです。

わたしたちにとっては、聞きなれた言葉ですが、イラストレーターのJames Chapmanさんには東洋の不思議なことわざに聞こえているのでしょうね。

13.ミトンを履いた猫はネズミを捕まえられない(ゲール人)

ミトンの手袋をつけていては、いくら猫であってもネズミは捕まえることはできないということから、「慎重で折り目正しい態度であっても、物事がうまく進むわけではない」という意味を表すことわざです。

日本の「憎まれっ子世にはばかる」という意味にも似ていますね。

14.象を蚊の中から出す(ハンガリー)

蚊のような小さなカラダから象が出てくることはありませんよね?そこから、「絶対にありえないこと」という意味を表しています。

15.ウサギが月をめざす(タイ)

「達成不可能な目標を望むこと」を意味します。

ウサギのような小さな動物が月にいくことができないよということから生まれたことわざです。日本と同じように、タイでも月に関係の深い動物としてウサギが用いられるのも興味深いですよね。

16.競技場にはマーティンと呼ばれるロバは一頭じゃない(フランス)

「人の個性はある一面だけでは決まらない」という意味です。

競技場にはマーティンという名のロバがたくさんいて、名前だけでロバの見分けはつかないよというジョークが効いていますが、人にはいろんな側面があって、そのすべてで独自性がきまるんだよという深イイことわざです。

17.下手なバレリーナはスカートの裾のせいにする(ポーランド)

「失敗を他人のせいにするものは成功しない」という意味です。

イチロー選手は打てないときも絶対にバットを地面に叩きつけることはないそうですね。失敗は自分の責任、成功は周りのおかげという気持ちが成功を引き寄せます。

日本には、弘法筆を選ばずという言葉もありますよね。上手くできるひとはどんな道具を使っても上手くできるものなのです。

18.ヘビに咬まれた犬は、ソーセージをも恐れる(ブラジル)

「怖い思いや痛い思いをしたものは、軽々しく行動しないものだ」という意味です。ヘビに咬まれるとソーセージもヘビに見えるくらい疑心暗鬼になるものです。

19.ハチミツはそれを舐めたひとのヒゲだけにつく(アラビア人)

ヒゲをはやすことが一人前の男というアラブの文化を象徴することわざですね。

盗まれたハチミツは盗んで食べたものにしかつかないということから、「悪いことをすれば、その証拠はずっとついてまわり、最後は必ずあばかれる」という意味です。

20.キツネはニワトリと結婚してはいけない(フランス)

「相性が合わない者どうしがいっしょにいてはいけない」という戒めのことわざです。

日本では犬猿の仲といわれますが、フランスではキツネとニワトリの仲がよくないようです。

ニワトリはフランスのシンボルであり、国鳥になっています。サッカーやラグビーのフランス代表のロゴにもしっかりとニワトリがあしらわれています。

まだまだあります世界のことわざ

世界の不思議なことわざ20選、いかがだったでしょうか?そういうとらえ方をするの?そんな動物で例えるの?と不思議な感覚になったのではないでしょうか?

逆に海外からみれば、日本のことわざも不思議な表現なのでしょうね。「犬も歩けば棒に当たる」や「二階から目薬」なんて、「WHY?」でしょうね。ことわざはそれぞれの国の文化が色濃く出ていて楽しいです。

また、 James Chapman のイラストもことわざの独特の表現をかわいいタッチでストレートに表現していて楽しいですよね。

James Chapmanさんのインスタグラムには、紹介をした以外にも、まだまだたくさんのことわざイラストがアップされています。ぜひともご覧になってください。