日産自動車がInstagramアカウントを開設-ユーザーの共感を呼ぶギャラリーとは?

日産自動車は、2016年7月15日にInstagramの公式アカウント(@nissanjapan)をスタートさせました。日産自動車ではすでにFacebookやTwitterのアカウントがありましたが、今回は女性や若年層を対象に「クルマやそれに関連したカーライフの楽しさ」の発信を目的とした新たなアカウントを誕生させたのです。

そのテーマの第一弾は人気車種である「CUBE」をモチーフとした、立方体のかわいらしい被写体です。写真の配置にも気を遣い、ギャラリーに統一感を持たせています。

また、フェスにちなんだ投稿や、夏らしいサマーブルーをテーマカラーとした投稿など日常や生活に寄り添った投稿が中心となっており、従来他社で見られたような車だけをメインの被写体とする写真構成とは異なるものとなっています。

こうしたInstagramの波は自動車業界にまで及んでいますが、各社さまざまな工夫を凝らして独自の世界観を表現しています。そこでここでは、他社事例も踏まえながら、最新の動向を見てみたいと思います。

 

自動車業界における他社事例

自動車業界においては、フォルクスワーゲン・ジャパンも今年の5月にInstagramアカウントを開設しており、ワーゲンを被写体にしたもののほか、ロゴマークを描いた食べ物のフォトを掲載する等、生活により身近な目線での展開を行っています。

https://www.instagram.com/vw_japan


また、トヨタ自動車も日本の公式アカウントにて、インスタグラマーとして有名な写真家・福田洋昭氏とのコラボレーションにより美しい車体と様々な風景を切り取った画を掲載するなど、写真として魅せることを意識した戦略を打ち出しています。

https://www.instagram.com/toyota_jp/


ドイツの自動車ブランドSmartは、二人乗り用の小型車のプロモーションにおいて、@fortwo_jake@fortwo_jillというふたつのInstagramアカウントを開設。

ふたりの男女の物語を数々の写真を通して描き、2台のスマホを隣に並べるとはじめて全体の写真を見ることができる、という仕掛けを作っています。「二人乗りだからこそ、恋人同士の時間を過ごせる」というメッセージが込められたユニークな施策です。

参照:http://adgang.jp/2015/11/113066.html

恋物語の内容が気になる方は、こちらで詳しく掲載しているので合わせて読んでいただければと思います。

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Smartがインスタグラムで綴る「一人じゃ読めない恋物語」とは?– 2016/08/24

August 24, 2016


 

他業界における事例

他業界におけるプロモーション戦略も、また自動車業界に活かせる工夫が随所にみられます。

例えば、シューズメーカーのナイキでは、@nikelabというアカウントにおいて、背景色を赤、白、黒、ベージュなど、さまざまな色に統一し、それぞれの色に合わせた商品を紹介することで、ギャラリーの美しさを整えています。



また、富士フィルム子会社の化粧品会社であるアスタリフト(@astalift_japan)は販促キャンペーンとして、「#幸せの赤と白」というハッシュタグをつけてユーザーに投稿させることで、商品カラーの赤と白で彩られたキャンペーンページを構成させ、ファン層の獲得につなげています。

参照:http://shop-healthcare.fujifilm.jp/special/astalift-white/happy-photo-campaign/

こうした手法は多様なカラーリングが可能で、様々なカラーの自動車を持つユーザーも気軽に投稿しやすく、自動車においても同様のことが可能であると思われます。

ユーザーの共感を呼ぶ日常の写真

広告・広報としての機能が注目され始め、各社がこぞってInstagramに参入している今、ユーザー層もまた敏感に広告に反応を示し始めています。

しかし、自分のフィーリングに合った写真を楽しむといったInstagramの特性上、いかにも広告的な写真であるよりも、風景や生活に溶け込んだ自社製品の紹介をしているものや、写真としての純粋な魅力、デザインといったものを追及していったほうが、感度の高いユーザーから多くのエンゲージメントを得られやすいと考えられます。

また、日常の生活に近い投稿を中心にすることは、ユーザーを巻き込んだキャンペーンを組み込みやすいというメリットもあります。ユーザーにハッシュタグをつけて投稿してもらうことは、自社の商品をインフルエンサーとなるユーザーに広く発信してもらえるだけでなく、自社アカウント・自社サイトへの流入にもつながります。

最近の企業アカウントにおいては特にそうした傾向が顕著に見られます。ユーザーの共感を得やすい質の高いアカウントであるほど、フォロワーも多く集まり、以前と同じようにハッシュタグキャンペーンを展開していたとしてもその効果は全く変わってきます。

一般のユーザーが多くのフォロワーを獲得する際に、有名アカウントやフィーチャーアカウントに紹介してもらう、といったものがあります。もし企業アカウントとしての質が高ければ、そのアカウントにフィーチャーされるということがユーザーにとっても一つのステータスとなり、企業側からしてもファンの獲得につながることでしょう。

 

まとめ

Instagramの重要性や今後の発展性については、多くの企業がその認識を高めつつあり、さまざまな企業や自治体が参入し積極的にキャンペーンを打ち出しています。

Instagramマーケティングにおいて、テーマの統一性やタグの使い方等は、一般的に広まっていると思われますが、こうしたユーザーの共感を得られるための工夫、あるいは戦略という点では、まだまだ発展性が期待されます。日産の新しいアカウントはまさに、その途上にあるといえるでしょう。