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インスタグラムのデジタル施策「脱出ゲーム」がすごいと話題に


みなさんは、「無声映画」を観たことがありますか?

今私たちにとって映画といえば、「音と映像が一体になっているもの」が当たり前だと思われるでしょう。実は映画が誕生した当時、映画はいわば「活動写真」。そう、つまり「写真が動いている!」という感覚で、その動きに音をつける技術はまだありませんでした。

しかし当時の人々にとって、この「動画」はまさに画期的なもの。世に初めて映画がお披露目された1888年から1920年代をピークとして、数々の名作と呼ばれる無声映画が誕生しました。

今回は、この無声映画にフォーカスをあてたインスタグラムのデジタル施策、その名も『Escape Room』という脱出ゲームについて、人気の秘密と話題を呼んでいるポイントを中心にご紹介していきます。

失われつつある無声映画にゲームでスポットライトを

冒頭でもチラッとお話したように、1920年代に黄金期を迎えた無声映画。当時作られた映画は1万本以上にのぼったとも言われていますが、実はそのほとんどは現在では失われてしまっています。

というのも、1927年に公開された音声付きの映画(トーキー)が文字通り爆発的なヒットを飛ばして以来、無声映画の衰退は著しく、保存状態も決して良くはありませんでした。結果、現在まで無事に残っているのは全体のわずか3割程度しかありません。

時代が移り変わっていくのは仕方のないことですが、少し悲しい気持ちになってしまいますよね。しかし!時代の進歩は無声映画にとって悪いことばかりではありませんでした。時代とともに発展してきた最新技術で、これまで修復不可能と言われてきたフィルムの一部を復活させることができたのです。

そうして見事に復活を遂げた無声映画たちは、カナダの映画祭が仕掛けたインスタグラムのデジタル施策、「脱出ゲーム」で一躍脚光を浴びることになりました。

「インスタグラムで脱出ゲーム」ってどういうこと?

このゲームの仕掛け人は、カナダで毎年春に開催されているトロント・サイレント・フィルム・フェスティバル(TSFF)。まずはそのワクワクするビジュアルからみなさんにご覧いただきましょう。

参照:https://www.instagram.com/tsff2016/

TSFFのインスタアカウントにアクセスすると、まず登場するのがこちらのビジュアルです。縦3列のサムネイル画面を大胆に使った、ゲームのオープニング画面です(この画像は、スマートフォンで撮影したスクリーンショットを横向きにしたものです)。

このサムネイルから「START HERE」と書かれた鍵穴の画像をタップすると、その画像にタグ付けされたユーザー名からゲーム専用のアカウントに飛ぶことができます。

参照:https://www.instagram.com/tsff2016_escaperoom/

こちらがそのアカウントです。いかがですか?スマホを横向きにした状態でサムネイル画面をスクロールさせると、まるでパノラマ写真のようにぐるりと部屋の中を見回すことができます。

ひとつひとつの投稿は無声映画による動画になっており、再生させるとこの部屋から脱出するためのヒントを得ることができるという仕組みです。

試しに写真1枚目、左下の動画をタップしてみましょう。

@tsff2016_escaperoomが投稿した動画

足元に落ちていた紙くずを拾って広げると、何やら意味深な数字の並びが!このように、ひとつひとつの動画を再生しながら部屋から脱出するための方法を探っていきます。

ちなみにこの脱出ゲーム、最後までクリアできた人は世界でもたったの数人しかいないそうですよ。謎解きゲームに自信のある方は、今からでもぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。


無声映画を知らない世代と相性の良いインスタグラム

脱出ゲームを使った今回のプロモーションは、写真だけでなく動画も投稿することができるインスタグラムの機能をフルに活用している面白い事例です。

さらに、インスタグラムといえば今や若い世代にとっては欠かせないツールのひとつ。
そんなインスタグラムで古き良き時代の無声映画の名作を活用した脱出ゲームを仕掛けることは、これまで無声映画にはあまり親しみのなかった世代に無声映画の魅力を知ってもらうための、絶好の機会作りとも言えます。

トロント・サイレント・フィルム・フェスティバルでは、映画祭の開催時期に合わせて毎年このようなインスタグラムと連動したプロモーションを行っており、過去の企画もTSFFのメインアカウントをさかのぼることで閲覧可能です。


インスタグラムのサムネイル画面とは思えないほど、美しくデザインされたビジュアルに仕上がっていますよね。2016年の脱出ゲーム『Can you escape the room ?』をはじめとして、TSFFが提唱するのは「手のひらで体験できる、新世代の無声映画」です。

人々の記憶から忘れ去られつつある無声映画に再びスポットライトをあてながら、無声映画の名作に触れつつ楽しめるゲームを企画する・・・これぞインスタグラムのデジタル施策のお手本!と言える、素晴らしい工夫にあふれたプロモーションです。


インスタグラムのデジタル施策はさらに広がる

今回ご紹介した脱出ゲームの例のように、インスタグラムのデジタル施策には若い世代が自ら進んでアクセスしたくなる魅力があります。

インスタはSNSという特性から、面白ければツイッターやフェイスブックといった他のSNSへシェアをしていき、友人と情報を共有する文化がすでにできあがっていますよね。
そうして幅広い層に情報を届けることができる可能性を秘めているからこそ、インスタを活用したデジタル施策はこれからさらに広がりを見せていくことでしょう。

今度はどんなアッと驚く仕掛けで私たちを楽しませてくれる企画が登場するのか、これからもインスタグラムから目が離せません!