「あれ?このアプリ気に入ってたのに、Instagramとの連携できなくなっちゃったのか~」
・・そんな心当たり、あなたにもありませんか?
2016年6月1日、InstagramのAPIが登録制から申請制に変更されました。
「API?登録制?」と頭の中にハテナマークが飛び交っている方も多いかと思いますが、最近外部アプリからInstagramへのログインや画像の取得ができなくなった背景には、この変更が大きく影響しているのです。
今回は、そもそもAPIって何なの?という基本的なところから、InstagramのAPIの利用方法が変わったことによる影響や申請制になってもAPIを利用し続けることができるアプリなど、Instagramと外部アプリとの連携について詳しくご紹介していきます。
今回のInstagramと外部アプリの連携のお話をする前に、まずおさえておきたいのが「そもそもAPIって何ぞや?」という話。
APIは「Application Programming Interface」の頭文字を取った言葉で、InstagramのようなWebサービスと、そのWebサービスとはまた別の外部サービス・アプリとをつなげる橋渡し役を担うものです。
例えば、あるアプリの開発者Aさんが「自分のアプリにInstagramの投稿を表示させたい!」と思った時、AさんはInstagramのAPIを自分のアプリ内で呼び出すだけで、その望みを叶えることができます。
もしAPIがなかったら、Aさんは自分でゼロから「Instagramから投稿を引っ張ってくる」ためのプログラムを書かなければならず、大変です。APIがあることで、外部からWebサービスの機能を使用することが、とてもシンプルかつ手軽になります。
そんな便利なAPIですが、InstagramのAPIはこれまで「登録制」で、APIを使いたい人がInstagram側に自分のアプリやWebサービスの情報を登録しさえすれば、自由に使うことができていました。
それが2016年6月1日からは「申請制」という新たな利用方法に変わったことで、Instagramに「APIを使用させてください!」と申請を出して、承認された人だけがInstagramのAPIを利用することができるようになったのです。
この変更の影響で、多くのアプリやWebサービスでは一旦InstagramのAPIを使用することができなくなっており、ネット上の記事や動画・写真などを自分の好みに合わせてカスタマイズできるソーシャルマガジンで有名な「Flipboard」も、この度の変更で影響を受けたアプリのひとつです。
変更前は、Flipboard上からInstagramにログインすることができ、ログインしたアカウントでフォローしているユーザーの投稿はFlipboardからチェックすることができていました。
しかし、2016年5月31日からはそういったInstagramに関するあらゆる操作ができなくなり、Instagramのボード(と呼ばれるFlipboard上のメニューのようなもの)自体が、Flipboardから削除されたのです。
参考サイト:インスタグラムの外部アプリへのアクセスが終了します
https://ja-jp.about.flipboard.com/flipboard-japan/
これまでできていたことができなくなる、ということで不便を感じているユーザーや管理者も多いことでしょう。
Instagramは、なぜわざわざこのような変更を行ったのでしょうか?誰もが気になる疑問ですが、その答えはInstagramの親会社であるFacebookの運営方針にありました。
Facebookは、自サービスにユーザーを保持する目的で、他のSNSなど似たようなサービスとは今後連携しない方向に動いているのだとか。
さらに、最近何かと話題になることが多いセキュリティ問題への対策の一環として、悪意のあるアプリがAPIを本来の意図とは異なる目的で使用しないよう、目を光らせる意味もあると考えられています。
今回のAPIの仕様変更でInstagramと連携できなくなったサードパーティ製アプリも多いですが、申請制の審査を無事通過し、Instagramとの連携を継続できているサードパーティ製アプリももちろんあります。
2016年7月10日現在で、APIの審査に通過している主なサードパーティ製アプリは次の通りです。
膨大なSNSの情報量の中から、特定のハッシュタグやコメントを抽出してくれるアプリです。
「商品を購入したいけど、使いやすいのだろうか」
「ここに泊まってみたいけど、評判はどうなんだろう?」
とネットで事前に調べる方は8割を超えると言います。SNSでの情報が公式サイトでまとまっているといちいち検索して調べる必要がないので、通販やECサイトを展開する方にとっては便利なアプリになるでしょう。
InstagramだけでなくTwitterにも対応しており、不適切な投稿や載せたくない記事をオンオフで切り替えることもできるので、外部に漏れる心配がないのも特徴です。
こちらもTagLive同様、指定されたキーワードの投稿記事を抽出して表示させてくれるアプリです。
Instagramのみの対応となっているものの、動画の表示が可能となっており、サイトのデザインも15種類の中から選ぶことができます。
管理者画面の情報やキャンペーンサイトを構築した際の応募方法など、公式サイトに分かりやすく書かれているので初めての方でも理解しやすいと思われます。
今回は日本語のものを中心に紹介しましたが、API審査を通過したサードパーティ製アプリは世界中にたくさんリリースされていますので、アプリ開発者はぜひ独自で調べてみることをオススメします!
Instagramを利用するサービスを展開していたアプリにとって、アプリの存続すら揺るがしかねない今回の仕様変更。
今後も審査を通過したアプリはまだまだ増えていくとは思いますが、InstagramのAPI審査はかなり厳しいと話題で、アプリやWebサービスの運営側にとっては審査の突破が大きな課題となりそうです。どれくらい厳しいのか知りたい方は下記サイトをチェックしてみて下さい。
参考サイト:超厳しい 【Instagram API 】の審査基準 を翻訳してまとめてみた
http://www.ie-kau.net/entry/2016/01/26/
新しいAPIの使用ルールを守ったアプリが承認されても、時代の変化や運営方針にもとづく仕様変更は、これから先も必要に応じて行われるでしょう。
それらの情報を知らずに、「ある日突然サービスが利用できなくなった!」なんていうことにならないためにも、Instagramに関連するニュースは日頃からきっちりおさえておくことが大切です。
アプリの運営に携わる人はもちろん、利用者としてInstagramを楽しんでいるユーザーも、今後のInstagramの動向には敏感にアンテナを張っておきましょう。