どうなってるの?平面なのに「飛び出して見える」イラストが驚き

トリックアートという言葉を一度は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?

トリックアートとは、視覚における錯覚を利用した作品で、「観る角度によって雰囲気が変化してみえる作品」や、「まるでそこにあるように立体的に見える作品」など、平面のものを立体的に描き表わす不思議で面白いアートのことです。

近年ではトリックアート展なども増えてきて、かなり身近に感じることが多くなったのではないでしょうか?

今回はそんなトリックアートを使った作品をインスタグラムへ投稿している、セルビア共和国のアーティストNikola Čuljić Artさんの作品をご紹介していきます!

Nikola Čuljić Artさんの作品をご紹介

この写真、何に見えますか?

私はルービックキューブを頭に乗せている、可愛いワンちゃんの置物の写真見えました。

実はこれ、トリックアートなのです!

つまりこれは写真ではなく、イラストなのです。
冒頭でもご紹介させて頂きましたNikola Čuljić Artさんの作品の一つです。

そんな馬鹿な…と思われる方もいらっしゃると思いますので、論より証拠、こちらをご覧ください。

どうですか?

凄い!騙された!と思われた方が大半だと思います。
なぜ立体的に見えるのか、不思議で面白いですよね。

こちらはゲームボーイが用紙の上に乗っていますね。

まるで、そこに本物のゲームボーイがあるように見えますが、こちらもトリックアートです。

びっくりしちゃいますよね!
目の錯覚って恐ろしいです。

 

トリックアートって何?

実は「トリックアート」という言葉は近年作られた造語で辞典などには載っていません。

フランス語で「目をだます」という意味のトロンプ・ルイユを言い換えたものが、近年ではトリックアートと呼ばれています。

トロンプ・ルイユはシュルレアリスム(超現実主義)においてよく用いられた手法・技法のことを指しています。

トロンプ・ルイユ、トリックアートで有名な作品は?

トロンプ・ルイユで有名なのは、スペインの画家Pere Borrell del Caso(ペレ・ボレル・ル・カソ)の騙し絵(トロンプルイユ)、「非難からの逃走」という作品です。

額縁から、今にも人物が飛び出してくるように見える作品です。この作品は額縁も手書きで書かれているだまし絵になっています。

トリックアートで有名な人というと、なんとなく海外の方をイメージしてしまいがちですが、実は日本にもトリックアーティストは数多くいらっしゃいます。

その中でも、まだお若い1991年生まれの和歌山県出身のトリックアーティスト、永井秀幸さんという方。「Hide」のネームで紹介されていることが多く、3Dドローイングと呼ばれるジャンルの、鉛筆でのデッサン画をメインにご活躍されています。

ご紹介させていただいている、Nikola Čuljić Artさんの作品と同じジャンルですね。

トロンプ・ルイユってどんな利用法があるの?

かつては、専門の美術館などでしか見ることが出来なかったトロンプ・ルイユ。しかし近年では、看板や広告、インテリアや道路での事故防止のためにトロンプ・ルイユが利用されるようなってきています。日常生活にも活用されるようになり、かなり身近に感じられるようになりました。

①トリックアートのインテリア

トリックアートのインテリアは、単純にインテリアにトリックアートが描かれた家具だけでなく、ウォールステッカーなど手軽に楽しめるようなものも最近では増えてきています。

値段も1000円~2000円程度のものが多く手軽に楽しめて、部屋の中の雰囲気が華やかになりますので、毎日を楽しく過ごせちゃいますね。

②道路のトリックアート

事故を起こしやすいような道にトリックアートで縁石を描き、ドライバーに実際の道路の幅よりも狭く感じさせて減速を促すというものです。

また、阪神高速の正蓮寺川トンネルではカーブ直前の壁面に矢印のような模様が連続して描かれています。先へ進みにつれて矢印の間隔が狭くなっており、同じスピードで走っているとどんどん矢印が目に入ってくる勢いが早くなるので、ドライバーがスピードが上がったと錯覚し、減速を促す効果が期待できます。

そして何とカナダのスクールゾーンでは、道の真ん中に少女がたたずんでいるトリックアートが描かれた道路があります。車が少女へ接近するにつれ本当に少女がそこにいるような形になり、そこを過ぎるとトリックアートだということが認識出来るようになります。その道は小学校のスクールゾーンに指定されており、速度制限が設けられているためドライバーに喚起を促すように導入されました。
子供を守ろうとする強い意識が伝わってきますね。

 

トリックアートの魅力とは?

最大の魅力の一つは「老若男女問わず、シンプルでわかりやすく楽しめる点」ではないでしょうか。

Nikola Čuljić Artさんのように、作品を作るとすれば様々な知識やセンスが問われますが、見ている立場からすると、美術館の本格的な絵画よりもトリックアートの方が身近に感じられるかと思います。

まだ絵画の深みに触れていない、小さな子供や美術に興味のない人が本格的な美術館へ行ったとしても、はたして心から楽しかったと思えるでしょうか?
しかしトリックアートならば、一目でわかる「驚き」や「楽しさ」が詰まっています。もしかすると、そのトリックアートを見てから美術に興味を持ち、絵を描くようになる方もいらっしゃるかもしれません。美術館の本格的な絵画の「深い面白み」と、トリックアートの「誰もが楽しめる」という違い。どちらも魅力はそれぞれありますが、敷居が低いと感じるのは「トリックアート」だと答える方が大半でしょう。

どうすれば立体的にみえる絵が描けるの?

トリックアートでもっとも重要になるのが、「遠近法」「陰影法」「前進色と後退色の組み合わせ」の3点です。

これを駆使し、影の位置や奥行の色合いなどを計算しながら描くことで、トリックアートは完成します。

Nikola Čuljić Artさんの作品を見ていると、面白そうだから真似してみよう!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、かなり高度な技術が必要となってきます。

トリックアートの仕組みは?

人間は、見ているものは光として受け取ります。

そして神経を通り、脳の後頭葉へ情報が伝達されるという仕組みになっているのです。

後頭葉は視覚形成が中心であり、明るさや形、色を認識する場所がそれぞれ分担されています。

情報として伝達された光はそれぞれの場所へ一度分担され、統合されたものを認識し、抽出するのです。

これらを抽出する段階で、脳が勘違いをして抽出してしまうこと、それを錯視や幻視と呼びます。

つまり、実際に見ているのは目ではなく、脳なのだということですね。

この脳の勘違いを利用したものがトリックアートの仕組みになっています。

今までの作品とは少し違った形のトリックアートです。

斧が机に刺さってる?!

絵を描いた用紙を切り取っていたのですね。

白の用紙がないため、斧をよりリアルに感じられる作品です。

鳥が飛んでる?!

本当に鳥が飛んでいるような、迫力のある作品ですね。

実寸サイズなので、もはやトリックアートなのか本物なのか見分けがつきません!
平面だとわかっても、ついつい触って確かめたくなってしまいそうです。

本物の時計とトリックアートの時計を比べてみても、どちらが本物か見分けがつく人は少ないのではないでしょうか?

えっ?これもトリックアート?!

…と思ったらこちらは本物の時計のようですね。
うーん、見分けがつかないです。

 

錯覚、錯視の種類

ミュラー・リヤーの錯覚

非常に有名な錯覚の種類なので、ご存じの方も多いと思います。

では皆さんに質問です。上の直線と下の直線。
どちらのほうが長いと感じますか?

正解は、どちらも同じ長さです。

よく見れば同じ長さだとわかるのですが、一瞬下の方が長く見えた方が多いのではないでしょうか?

これは、人間が遠くのものを見るときに脳が無意識に大きく見せようとすることが原因で起こる現象です。

つまり、「>」と「<」で脳が無意識にこれは奥行きだと判断してしまっているのですね。

反対に「<」と「>」では脳が無意識に、これは“手前だ”と判断してしまうということです。

結果、遠くに感じた「>」「<」に挟まれた直線を、長いように錯覚してしまうのです。

みなさんいかがでしたでしょうか?

まるで魔法のように脳を錯覚させてしまうことが出来る、トリックアート。

Nikola Čuljić Artさんの作品には沢山の驚きと楽しさがあるということが、お分かりいただけたと思います。

近年増えているトリックアート展など、実物をみるチャンスは身近にところにありますのでぜひ実際に体感してみてはいかがでしょうか?

これからも増え続けるNikola Čuljić Artさんのインスタグラムから目が離せませんね。