Instagramマーケティング入門【前編】 〜成功するコンテストとは〜


Webマーケティング担当者の間で話題のInstagram。とりあえず「企業アカウントを作ったものの何から手をつければ良いのか分からない」という担当者も多いのではないでしょうか。海外ではまずはフォロワーを増やすことがSNS運用の王道だと考えられていて、手軽にはじめられる運用のひとつとしてInstagram上で行うコンテストがあります。今回は、マーケティング担当者の口から聞かない日はないコンテンツマーケティングの一つ、海外企業のコンテストの開催方法について、具体例をまじえて詳しく解説していきます!

コンテストキャンペーンの種類

海外のInstagramでみられるコンテストには大きく分けて3つのタイプに分けられます。

投稿エントリー型

ユーザー自身が写真に企業指定のハッシュタグをつけて投稿することで応募するタイプ。自社ブランドのハッシュタグを使えば、Instagram内でのブランド認知にも効果的です。一方、応募へのステップが増えるため、他の3つのタイプよりややハードルが上がってしまうといえるでしょう。そのため、応募者をバイラルに増やすためのアイデアが重要になります。

例えば「キャンペーン商品を着用画像を投稿する」など、応募する写真に条件ををつけたりやテーマを策定すると、多くの応募が期待できるでしょう。当選者は「投稿に付いたいいね!の総数」など、企業独自の基準で決まるのが特徴です。

カナダのアイウェアブランドBONLOOKのNew Yearキャンペーン。投稿画像からコンテストの概要(セルフィーにハッシュタグを付けてポスト)や特典($15〜$30OFF!)がシンプルに伝わる好例

いいね!エントリー型

ユーザーは企業アカウント内の写真にいいね!をするだけで応募が成立します。最も応募へのハードルが低いタイプといえます。また、いいね!が増えてアカウントがアクティブであることがユーザーにもコンテストの実施企業にも分かりやすく、さらに企業の印象が良くなるので、とりあえず試してみたいという企業におすすめです。当選者は抽選とするのが一般的です。

アメリカのアイウェアブランド MIDWEST SHADESの告知ポストは、雪を顔に見立てて立てかけられたサングラスとスキー場のコントラストが目を引く。コンバージョン率が高くなるような写真が応募を増やすコツ。

 

フォローエントリー型

ユーザーは企業アカウントをフォローすることで応募ができます。いいね!型ほどではないものの、比較的多くの応募が見込める上にフォロワーを直接増やすことに繋がります。わざわざフォローを返してくれるユーザーはリアルなファンである可能性が高く、ユーザーの傾向などの分析にも役立ちます。海外では、いいね!などと組み合わせて使う例も見られます。

レイアウトや字体など、デザインの力でユーザーに訴えることも効果があります。

アカウントタグ付けエントリー型

ユーザーは、指定の写真のコメント欄にタグ付けしたい友人のアカウント(@アカウント名)をコメントすることで応募となります。タグ付けされたユーザーは写真のポストとコメントと同時にタグ付けされることによって、タグ付けされたユーザー本人がさらに他のアカウントをタグ付けして続いていくという、Instagramの特徴を最大限に活かした応募者を簡単に増やすことができるコンテストです。

特典が魅力的なので非常にシンプルでありながら、ユーザーを応募へと誘導しています。

効果を上げるシンプルなコンテスト実践法

さて、Instagramをはじめるおおきな理由は、ファンとなるフォロワ-の獲得や、売上につながる見込み顧客を増加ではないでしょうか。そんな時に参考になる、Instagramのみで応募から当選者の発表までが完結するコンテストの実践方法をご紹介します。

 

■Step1 ゴール設定

コンテストの企画で最も重要なのは目標設定です。できるだけ明瞭にするように心がけましょう。

目標設定例
  • フォロワーを15%増やす
  • ブランドハッシュタグ付きの投稿を200増やす
  • メーリングリストを100増やす
  • ■Step2 コンテストタイプの決定

    次にコンテストのタイプを決定します。Step1で設定した目標に応じて最も有効な応募方法にしましょう。さらに、当選者への特典も決める必要があります。ターゲットとなるユーザーにとって魅力的なものは何か考えましょう。トレンドを意識しすぎたり万人受けするものを選ぶと、話題だけが先行し売上につながらない応募を増やすことになる場合があるので注意が必要です。
    もちろん話題性重視の場合や、とにかくブランドを認知してもらいたい場合などには効果があります。

    良い特典例
  • 自社商品の割引クーポンなど見込み顧客につながるもの
  • 注意が必要な特典例
  • iPadやデジカメなど人気の家電
  • ■Step3 ハッシュタグの作成

    シンプルかつオリジナルなハッシュタグを考案しましょう。応募の条件として必要なだけでなく、ハッシュタグを使って応募のポストを一覧で見ることができコンテストの効果測定に役立ちます。ただし、いいね!応募型やフォロー応募型の場合は投稿に直接反映されるため、必要ありません。

    ■Step4 コンテストフォトの作成

    コンテストの詳細が決まったら告知の準備をしましょう。コンテストに関する情報をInstagramサイズの画像にまとめて投稿します。ただし、すべての情報を画像に入れる必要はなく、投稿文で補足をすることが出来ます。シンプルにユーザーが応募したくなるような情報に絞りましょう。
    また、以前は正方形の画像しか投稿できませんでしたが、8月27日より「横長」や「縦長」の写真や動画がポストできるようになりました。まだまだ正方形以外の投稿数は少ないため、あえて横長にしてみる、などバリエーションを加えると目立つことが出来ます。

    コンテストフォトに入れたい情報例
  • “投稿するだけで3000円相当の商品券が当るチャンス!”など訴求力のあるキャッチコピー
  • クーポン券や商品のイメージ画像など、特典の魅力が伝わる写真
  • 応募方法、特典、キャンペーンの期間などに関する情報
  • ■Step5 プロモーション

    自社メディアやInstagram以外のSNSなど様々なメディアを駆使してコンテストを告知しましょう。また、審査員などにインフルエンサーを巻き込む事例は増えていて、大きな宣伝効果にもつながります。

    プロモーション例
  • メールやLINEで直接告知
  • TwitterやFacebookなどのSNSで告知
  • ブログの更新や自社サイト内にキャンペーンバナーを設置
  • プレスリリースを配信し外部メディアで告知
  • 審査員に著名人を起用する
  • ■Step6 効果測定

    目標によってはコンテスト開催中や終了後、ユーザーに関するデータを集めることは重要になります。WishpondはSNSのデータを分析できるツールです。ハッシュタグを設定していれば、トラフィックや応募者数、コンバージョン数など多くのユーザー動向がリアルタイムで測定可能できます。他にもアナリティクスに有効なインサイトツールが多数ありますので、次の機会にご紹介します。

     

    測定方法例
  • Instagram内ハッシュタグ検索でユーザーの投稿コンテンツを分析
  • WishpondのCampaign Reportsでコンバージョン率を測定
  • ■Step7 フォローアップ

    コンテスト終了後も、ユーザーとのコミュニケーションをはかることは重要です。応募者の大多数である外れたユーザーに次回も参加してもらい、いかに売上へとつなげることができるかを考えましょう。

    フォローアップ例
  • 他のSNSで当選者の投稿をシェア
  • 当選者の選考風景など社内の一面を動画や写真で投稿
  • 次回コンテストの予告を投稿
  • 海外の成功したコンテストは、その話題性や規模の大きさが目立ち、なかなか本質が見えないものです。しかし、注目が集まりがちな特典だけでなく、準備からプロモーションまでコンテストの内容を事前に考え抜かれていることが分かります。まずは、明日にもはじめられるシンプルな7つのステップを参考に、Instagramで成功するコンテストを企画してみてはいかがでしょうか。

    後編はこちら!

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    Instagramマーケティング入門【後編】〜ここまでできる!海外コンテスト成功事例〜

    September 29, 2015

    参照元:
    http://www.socialmediaexaminer.com/run-successful-instagram-contest/
    http://mashable.com/2012/02/02/ford-fiesta-instagram/ 
    http://www.digitalbuzzblog.com/ford-fiesta-the-fiestagram-campaign/